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伊藤園について考える場合に、押さえるべきポイントは経営の戦略であるが、それと同時に技術というものにも目を向ける必要がある。
まず、経営の戦略として、その後同社の優位性のひとつとなるのが、1979年に中国土産畜産進出口総公司と日本で初めてウーロン茶の輸入代理店契約を締結したことがある。おそらく今考えると、同じお茶である緑茶を販売している会社がウーロン茶を販売していても大きな違和感がないが、当時、日本ではウーロン茶が一般的ではなかったことから、他の企業にそのような発想はなかったのではなかろうか。
しかも、同社にとってはウーロン茶に進出したことが、その後の緑茶飲料の開発につながった可能性も考えられる。
まず、同社が飲料化に成功したのがウーロン茶であり、1981年と輸入代理店契約のわずか2年後のことであった。その時点で、同社ではウーロン茶の飲料化技術を公開し、ウーロン茶葉の販売を後押ししようと考えた。しかし一方で、同社も同時にウーロン茶飲料を販売したものの、販売力のある大手企業に大きく劣る実績しか上げることができなかった。
このことを振り返って考えてみると、日本においてウーロン茶はまず飲料として広く認知されたものである。むしろ、茶葉としてのウーロン茶の一般的な認知は、飲料にずっと遅れたものであった。同社ではしばしば、ウーロン茶の技術を公開してしまったことは失敗であったと述べることがあるが、必ずしもそれは正しい表現ではないかも知れない。
仮に同社だけでウーロン茶飲料を販売したとして、果たして知名度が低いウーロン茶の市場が本当に拡大したかどうかは疑問である。少なくとも現実の市場拡大スピードよりもずっと遅いものになっていたはずである。それゆえ同社にとってウーロン茶の飲料化は成功であったが、その後さらに大きな市場である飲料市場に気づいたと考えるべきであろう。そして同社はウーロン茶を日本に広めた功績で、1988年に中国茶葉進出口公司より表彰を受けている。
その後同社では、緑茶飲料の開発に注力するが、緑茶の飲料化はウーロン茶の飲料化に比して、かなり高い技術を要するものであった。特に難しかったのは、ウーロン茶では大きな問題とならなかった酸化の抑制である。そのため、同社が「おーいお茶」の前身である「缶入り煎茶」の発売にこぎつけたのは、ウーロン茶飲料に遅れること3年、1985年のことであった。緑茶の場合、ウーロン茶での失敗を踏まえ、製法の公開は行わなかった。
確かに、当時の日本において、お茶を飲料化することに魅力を感じた人がいたかというと、ほとんどいなかったのではないかと思われる。なぜなら、コーヒーや紅茶にはお金を払う人も、お茶はただという意識が強かったためである。それゆえ、研究開発費を費やして日本茶飲料を開発しようという人がいなかったのであろう。これはまさに発想の勝利である。
その後1989年に「缶入り煎茶」を「お~いお茶」と名称変更し、以来30年間続く代表ブランドをスタートさせた。
まず、スタート時点で先行者メリットを享受できたわけであるが、その後も次々と繰り出す、戦略、技術で押しも押されぬトップブランドとしている。
特に技術面で大きな影響を及ぼしたのが、1996年の他社に先駆けたペットボトルの投入であった。緑茶は、抽出後に緑茶成分が大量の粒状の浮遊物(オリ)となって沈殿する。缶飲料では飲むときに缶を振ることで、消費者が気づくこともなく何ら問題はなかったが、ペットボトルでは見栄えを損なうとともに、時間が経つとおいしさにも影響をおよぼすことになる。
それに対して同社独自の「ナチュラル・クリア製法」(方法特許)を開発して、他社との差別化を図った。ナチュラル・クリア製法は緑茶の抽出液を天然素材の茶漉し(マイクロフィルター)でろ過することにより、オリの発生を防止し、澄んだ色を引き出すと同時に、緑茶の自然のおいしさを守る製法である。
以上のように食品という市場でありながら、意外なほど技術の裏打ちがあって、初めて戦略の効果が高まるのである。このようにして、着実に、長い年月をかけて、「おーいお茶」は緑茶市場における強固なブランド力を構築してゆく。
ただし、2000年代において、二度ほどライバルの新製品によって、不動の地位を犯されそうになる。その辺りの状況については、次回に詳しく述べよう。
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