16年前の阪神淡路大震災の日、私は神戸市灘区で被災しました。
あの朝、地鳴りの音に目が覚めました。
「あ!地震や!」
そう思った次の瞬間、今まで経験したことのないような激しい揺れを感じました。
なんというか、揺れる、というよりも激しく回された感じです。
超高速のコーヒーカップに乗った感じ。今、思うと、地面があんな感じで動いていたとは信じられません。
確か、私が居たのは一番震度が大きい地域だったと思います。
次の朝、外に出てみると、昨日までの街並みとは全く違った風景がそこにありました。
その風景は・・・・ってこんなことはもう、語りつくされていますよね。
でも、あの日のことは今でも鮮明に思い出します。
いまでも震災の日に思うこと、それはある人のことです・・・・
震災の朝、瓦礫の町を歩いていたとき、突然、「どうぞ」と言って、私の前にお菓子を差し出してくれた人がいました。
「え?」と思うと、その方は「頑張ってください!」と励まし、お菓子を手渡してくれました。
その方は、道行く人、一人、一人にお菓子を渡し、同じように励まして声をかけていました。
そのとき、私は、ぼーっとしてたため「あ・・・すみません」なんて気のきかない返事しかできませんでしたが、今も、その方の偉さ、有り難さが身に沁みて思い起こされます。
震災の朝、そんなにたくさんのお菓子を調達するのは大変だったと思います。
その方にもご家族は居たと思います。
これからの生活も不安だったに違いありません。
でも、その方は惜しみなく、他人の私にお菓子をくれて励ましてくれました・・・
あのとき、アンパンを一つ5,000円で売っていた不届きな輩もいて、
関西人の評判を落としていましたが・・・こんなに立派な人もいたんですよ。
今ではもう、その方の顔を思い出すことができませんが、
震災の日がくるたびに、有り難さを思い出します。
自分もあの人のように、苦しい時にも、人にやさしい気持ちで接することができる人間でありたい、
震災の日がくるたびに、そう思います。