期待




子どもにはこんな風に



育ってほしい、



なんて勝手な期待を描き、



子どもだけでなく



わたし自身が周りからどう見られるか。



が重要事項で。



押しつけ育児の典型のような



子育てをしてきた。







こんな性格で。




元気ではつらつとしていて


天真爛漫で。


お友達がいっぱいいて。


みんなから愛される子。



得意なことは。




スポーツ万能少女がいいな。


頭も良ければなおいいけど。




こんな習い事をしていて。




ダンスとか


ピアノもいいな。


英語も習わせたい。





こんなお洋服を着せて。




ボーイッシュな感じがいいな。


ぱぱとお揃いコーデとか可愛いな。




なんて。




子どもに対してたくさんの理想があったけど




結局




思い描いた理想とは真逆を歩んでいる



わが娘。



引っ込み思案で



うちにこもるタイプで。



お友達も静かな限られた人数で。



運動はきらい。





ひとに流されたり、



ひとの顔色ばかり伺う彼女。



わたしのせいだとじぶんを責めながら、



そんな気持ちにさせる彼女にも



そんな、わたしに似てしまった彼女にも



嫌悪感を抱いていた。





でも、




わたしの強く、粘着質な期待を




鮮やかにスルーし、




我が道を進んだ彼女。




もちろん、




母の期待に添えないじぶんを




責めただろう。




辛い想いばかりしたかもしれない。









でも、ちゃんと



彼女は彼女の生き方を



選択してまっすぐ歩んでいる。








子どもは



わたしが思うより



ずっと、強い。



そして、



わたしとは全く違う、他者だ。