祝日だが、給料日前で出かけるのも億劫になり家でタイトルのビデオを見ることに
今作はチェ・ゲバラの若き日の無鉄砲で情熱的な旅を描いた作品です
個人的にチェ・ゲバラは好きな人物なのでと思い選んだ訳なんですが、製作総指揮にロバート・レッドフォードの名が
アメリカ人がこの人を扱っていいのかと疑問にも思いつつも、「まー、ロバート・レッドフォードならいいのか」と、特に大した根拠もなく納得してビデオを見ることに
作品では青臭く愚直で少し世間知らずな若き日のチェ・ゲバラを旅の同行者で親友のアルベルトが引っ張っていくというもので
当初は上記のような人物評をいだいていたわたしですが、しかしながら、物語が進む中、自分の限られた世界から飛び出し、様々な人物や様々な貧困と向き合い、世の中の不条理さに幾度となく憤りながらしっかりと少しずつ変わっていくのです
2時間という限られた時間の中でこのような大きな人間の変化を描くには白々しくなるか中途半端に終るかというところでしょうが、今作品は無理なく、かつ明確にと変化している訳でそういう意味でもしっかりと描けていたのではないかと思われます
作中、ハンセン病患者の若い女性との1コマなんですが、患者に医者となる動機を問われ、彼はみんなの役にたちたいんだと答えます
しかし患者はそんなことは無意味だと返すので、彼は何故と問い返すと
「人生は苦痛」
患者はそうとだけ答えます
恐らく日本に住んでいる私ではその貧困や困窮を理解することは無理なのかもしれません
しかしながら、彼女のその答えは真に迫っておりそれもまたその土地での真理なのかもしれないと思わざるを得ません
しかし彼は、決して否定する訳でもなく
「そう つらいよ 生きるために戦い続けなきゃならないからね」
と、そっと答えます
もし仮にこの恵まれた日本で生活をしていて上記のようなセリフを使ったのならそれは陳腐にも聞こえたかもしれません
もっとも恵まれた時代は過ぎさり大不況と呼ばれるこのご時世でも間違いなく日本は裕福な国であるのです
確かに日本においてもいたたまれない境遇にある方もおられるであろうとは思いますが、その患者がいるような土地ではそのことが、圧倒的少数ではなく、その答えが普遍の真理でありえようとしている訳です
そしてそれがこの21世紀の世の中においても映画の中だけではなく存在するのです
産業革命以後、グローバリズムと称する全世界欧米化の勢いは今日においても衰えることを知りません
一部の富裕層をより富ますために何億、何十億という人間が苦しみ飢えていく世界を果たして正しい世界だと言えるのでしょうか?
恐らくそんな疑問や憤慨は私に限った事ではないでしょう
しかしながら、日々の生活に追われ自分の欲求を満たすことに汲々とし忘れてしまうのもまた真実
チェ・ゲバラもそんな人間だったのかも知れませんね
ひょっとしたらこの旅を通じて世紀の革命家としての一歩を踏んだのかもしれないなと、ちょっと感慨深く思ってしまいました
そしてこの旅が彼に
「そう つらいよ 生きるために戦い続けなきゃならないからね」
と、言わしめたのかもしれませんね
素直にいい映画です
内容の如何はもちろん個人的に気に入っているということもありますが、単純に映画としても優秀かとおもわれます
是非一度、ご覧くだされ
