藤原伊織という方の作品で短編集なんですが、いちいち、泣けます、泣かせます
と、演歌のような紹介の仕方になりましたが、実際、すごいいいですねー

作風で言うのなら、浅田次郎が一番、近いですかね
ただ、この両作家、全然、生い立ちが違ってまして、浅田次郎に関しては以前、触れましたが、結構、作家として芽が出るまでに様々な職業を経てきているのに対し、藤原伊織は東大卒というインテリですね
前者に関してはヤクザっぽい話を書かして、上手いと言うのは納得できるのですが(浅田先生、ごめんなさい)、後者に関しては作品を読み終えた後に略歴を見て意外に思えました

まぁ、作家の人生なんていうものはどうでもよくて、要は面白いか面白くないかのそれだけが重要で、そういう意味では、非常に面白い作品です

全部で6作品ほど収録されていて、全部を紹介できればいいのですけど、、ちょっと読んだのが結構、昔の話なので、特に気に入ってるものを2つほど選んでみました

ひとつは表題作の「雪が降る」
若い頃の日々と鬱積した現在とをすり合わせながら、その現在に若い頃の希望を再びという、私なりの紹介を活字にするとなんとも単調でありきたりな作品になってしまうのですが、この作品人間の機微であったりをそれこそこだわりにこだわって描きあげた作品だと私はおもいます
何がどうと言い始めるとキリがありませんが、これ以上は無理と思われるくらいの登場人物のキャラクターがしっかりと伝わってきます。そのため、心情のひとつひとつの動きが痛いほど理解できてぐっとくるものがあります(この表題作に限らず、どの作品も登場人物の性格とかが自然と伝わってくるので、その気持ちが直に伝わってくるからもう、泣きっぱなしですね)

で、もうひとつは「紅の樹」
どこまでも主人公のヤクザがストイックに描かれ、かっこいいのなんの
と、ヤクザが主人公的なものを褒めると、すぐに「右寄りか、お前?」みたいなご指摘を受けそうですがそんなことはありません
ヤクザがカッコいいというんじゃなくて、ここまでカッコのいい人間は逆にヤクザでもならなければ生きていけないんじゃないかと、思わされるかっこよさですね
決して華やかものではないですが、その主人公の不器用さはまた、ぐっと来るものがあります
高倉健に憧れる私にとって、愚直に生きる姿であったり、真っ直ぐでありたいと思う姿はたまらなく響いてきます
かなり、ピンポイントにツボに入った作品でした

ちなみにまで藤原伊織氏のほかの作品については「テロリストのパラソル」「ひまわりの祝祭」については読みましたが、前者が90点くらいで後者が70点くらいといった感想です
どちらもなかなかに読み応えがあって面白いです
機会があれば是非、一度、ご覧下さい