
今回は主に小型犬に多い
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
についてです。
◆膝蓋骨脱臼とは?
膝蓋骨脱臼とは、後肢(後ろ足)の
膝蓋骨(ひざの関節のお皿)が、
滑車溝といわれる正常な位置から
内外へはずれてしまう(脱臼する)
状態をいいます。
滑車溝が浅かったり、膝蓋骨に付着しているじん帯や大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の内外のバランスの悪さなどが原因と考えられており、進行すると骨格の変形が起こりさらに脱臼を助長します。
膝蓋骨がひざの内側に外れる「内方脱臼」が主ですが、ひざの外側に外れる「外方脱臼」、内外両方に外れたりするケースもあります。
膝蓋骨は靭帯でつなぎとめられているため、この骨がなんらかの原因で脱臼してしまうと、それに付いている靭帯も一緒にうまく動かせなくなり、結局は足を着くことができなくなってしまいます。
症状の進行にあわせて様々な症状が見られますが、初期は無症状の場合が多く、進行すると、だんだんと患部の足を上げて歩くことが多くなります。
膝蓋骨脱臼は様々な犬種で発生しますが、特にトイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、チワワ、マルチーズ、シーズー、柴犬などの小型犬によく見られるようです。

(http://www.h-baby.jp/sukusuku/log/2007/10/post_80.html)
◆症状
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)の症状は、その進行度合いによって4段階のグレードに分けられます。
【グレード1】
膝蓋骨は正常な位置にあります。膝をまっすぐ伸ばして膝蓋骨を指で押すと脱臼を起こしますが、離すと自然に元の位置に戻ります。
普段の生活の中では脱臼を起こすことはまれで、無症状の場合がほとんどです。
激しい運動をした後などに跛行(※)がみられます。たまにスキップのような歩行をすることがあります。
※跛行(はこう):疾患やケガが原因で正常な歩行ができない状態。
【グレード2】
膝蓋骨は正常な位置にあるが、膝を曲げると脱臼してしまう。脱臼した膝関節は足をまっすぐにしたり指の力で押したりしないと元には戻りません。
日常生活にそれほど支障はありませんが、脱臼している時には跛行がみられます。
足を後ろに伸ばして脱臼を整復しようとする仕草がみられることがあります。
脱臼が元に戻ると普通に歩けるようになりますが、時間の経過とともに、膝の靭帯が伸びたり骨が変形を起こしたりすると、グレード3に移行してしまうことがあります。
【グレード3】
膝蓋骨は脱臼したままの状態が普通となり、指で押すと一時的に元の位置に戻ります。
跛行が顕著になり、腰をかがめ、内股で歩くようになることが多くみられますが、跛行の程度は軽度であり、全く跛行を示さない場合もあります。
骨の変形も明らかになってきます。
【グレード4】
膝蓋骨は常に脱臼した状態となり、指で押しても整復できません。
骨の変形も重度となり、膝の関節を伸ばすことができないので、足を曲げてうずくまるような姿勢で歩いたり、最小限しか地面に足を着けないような歩き方になったりします。

◆原因
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)になる原因としては、先天性のものと後天性のものがあります。
先天性膝蓋骨脱臼では、生まれた時から膝蓋骨が収まっている溝が浅かったり、膝関節周囲の筋肉や骨の形が異常だったり、上下まっすぐについているはずの靭帯の付着部の位置がずれていることなどが原因となります。
膝蓋骨脱臼の多くは先天的なもので、加齢と共に進行してくることがほとんどです。
先天性膝蓋骨脱臼のうち、内方脱臼はいずれの犬種でもみられますが、特にヨークシャー・テリア、ポメラニアン、トイ・プードル、チワワ、マルチーズ、シーズー、柴犬などに多く発生します。
一方、外方脱臼は大型犬でまれにみられますが、最近は大型犬の内方脱臼もよく見られるそうです。
後天性のものでは、打撲や落下など外傷性の原因で関節に衝撃が加わり、膝蓋骨周囲の組織が傷ついて脱臼するといったことが考えられます。
また、くる病などの骨に関連する栄養障害によって骨が変形した結果、脱臼が起こることもあります。

脱臼した方の足をかばって歩くと、今度は逆の足に負担がかかってしまい、その足まで脱臼しやすい状態になってしまいます。すると次第に歩けなくなってしまう可能性もあります。
すぐ元に戻るからと脱臼を軽くみていると、正常な足まで病気にさせてしまうこともあり得ます。
自由に歩けなくなると、運動量が減るため肥満や筋力の低下につながります。
肥満は外の臓器の病気の引き金に、筋力の低下は、高齢になると寝たきりになる可能性が高まります。
日頃から膝の負担にならないような生活を心掛けたり、サプリメントを与えて予防に努めたりするのも良いでしょう。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
