
前回の続きです。
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう、別名:パテラ)は、なるべく早期に発見し、関節や靭帯、骨の変形などの二次的な問題が出る前に適切な治療をすることが重要です。
特に、トイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、チワワ、マルチーズ、シーズー、柴犬などの小型犬種は膝蓋骨脱臼にかかりやすい好発犬種です。
愛犬が好発犬種の場合は、特に気になる症状がみられなくても、ワクチン接種時など日頃から定期的に、膝の状態を診てもらっておくと安心です。
◆検査
膝蓋骨脱臼(パテラ)の有無に関しては触診による検査が一番重要です。小型犬がいる飼い主さんは、ワクチン接種や他の診察の時などにでも、一度は膝の状態をチェックしてもらいましょう。
レントゲン検査を行うと、骨格変形の程度や骨関節炎の程度、他の疾患の併発の有無などを調べる事ができます。
自宅で愛犬がリラックスした状態の時、ひざの上に抱いて足を伸ばさせて、そっと膝蓋骨を左右に動かしてみて、ぐらぐらするか、脱臼するかチェックすることもできます。
◆治療
【外科治療】
膝蓋骨脱臼(パテラ)ではグレードにより外科手術が必要な場合と、手術せずに経過をみていく場合があります。
治療法の選択はグレードの段階、全身状態、愛犬の年齢などを考慮し決定します。
症状の認められない老犬では、外科手術が必要になることはほとんどありません。
しかし若い犬で痛みが認められる場合には、時間の経過とともに病状が進行してしまいます。
骨の変形や筋肉の異常が発生することを防ぐため、早い段階での外科手術をおこなう必要がある場合もあります。手術方法については、獣医師とよく相談しましょう。
【保存療法】
根本的な治療は外科手術しかありませんが、グレードが低く症状も軽度の場合は保存療法で良好に管理する事ができます。
保存療法とは環境や生活改善、投薬により症状を抑えたり、骨関節炎の進行を抑制する治療方針です。
グレードが低く症状を伴わない場合や、麻酔処置のリスクが高いと考えられる場合などには、消炎・鎮痛剤やレーザーなどの使用により、一時的に関節炎症状を抑える治療があります。
膝関節や関節周囲の構造自体が変化する訳ではないので完治は望めませんが、保存療法を行いながら、再脱臼による関節炎を防ぎ良好に維持できるケースもあります。
関節の健康・維持に配慮した食事やサプリメントなどを取り入れることもあります。
サプリメントでは強い痛みは抑えられませんが、慢性的な痛みは感じにくくなり、関節炎の進行を防いでくれるような効果もあります。
◆予防
膝蓋骨脱臼(パテラ)を予防するには、膝に負担をかけないことが大切です。
・膝に負担をかけない適度な運動で筋力を維持しながら体重管理をする
・フローリングなどの床にはマットやじゅうたんを敷く
・足裏の毛は伸びたらカットする
・ソファーや段差にスロープを設置したり、飛び降りそうな所があれば登れないようにする
・ジャンプや過度な運動、ピョンピョンと飛び跳ねたりクルクルと回ったりすることは避ける
・体や膝をひねったり急に向きを変えるような運動は避ける
・散歩ではなるべく柔らかい土や芝生の上を歩いたり走ったりする
・関節に対して栄養を補助するようなサプリメントを与える
大事なことはとにかく、膝に負担がかからないようにすることです。そのような生活が出来るように、いろいろと工夫してみましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)を持っていても無症状で過ごしている犬は多い。こういうコを知らず知らず肥満にさせてしまったり、過度な運動をさせていると、将来関節に異常をきたし痛みが出てくる可能性が高まります。
逆に若いうちから膝の状態を把握して、体重管理や環境に気を配っておけば、関節をより良い状態に維持し、症状のないまま生活することも可能です。
また、膝蓋骨脱臼(パテラ)の有無に限らずほとんどの犬は、老化とともに筋肉の衰えや骨の変形が起こり、靭帯も弱くなっていきます。
前述したような予防策を日頃から行って、足や膝に負担がかからないような生活環境を整えてあげましょう。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。



