土地柄なのか、父ちゃんはだいたい怖い。
声がでかい。
雷を落す。
亭主関白。
あぐらをかいて、腕を組み、タバコをくゆらす。
私が住んでいるエリアは、男のお客さんが来ると、お茶の代りに焼酎が出る。
これがいけない。
酒、故に話が弾み過ぎて、
…帰りは酔っ払い。
ボロ雑巾のようになるまで飲んだ父ちゃんは、同じ話をヘビーローテーション。
いつの間にか迎えに来た母ちゃんが引っ張っても気分は上々。
「ほら!もう帰るけんね!」
この日ばかりは母ちゃんが控え目な雷。
小さくなったとうちゃんと、お世話かけましたと深々と頭を下げると、こちらもボロ雑巾のようなこの家の父ちゃんがまたねと手をあげる。
いつも思うんだけど、父ちゃんより母ちゃんの方が酒が強い。
いくら飲んでも、酔っ払いを連れて帰るのは母ちゃんだから。
街頭もない暗く小さい道を、酔っ払いの父ちゃんを引っ張って歩く。
よろよろと足元もおぼつかない父ちゃん。
そして叫ぶ。
「お前に何がわかるとか!」
突然そこから始まる。
「やかましか!」
母ちゃん、父ちゃんを一撃。
人が見ていなくても控え目に。
いくらうるさくても、その辺に置いて行ったりはしない。
ようやく家に帰っても、玄関で力尽きる父ちゃん。
気持ち悪いと、気持ちいいが半分ずつ。
それでも、並べた布団にそれぞれ入って、いよいよ眠るっていう時に、
「今日はごめんね。」
って亭主関白が…
言ってたら、
…いいよね。
もしもの話。