はじめての富士山☆くだり | 桃の上にも・・・

桃の上にも・・・

妄想バイクで爆走中☆

頂上に着いたのは夕方の5時頃だった。


家に帰るためには、今登った分降りなきゃならない。

気が遠くなる。

そして、寒い。

とりあえず、山頂で食べようと持って来た甘いパンを食べる。

甘い、しかし寒い。


降り始めてから暫くは、砂利みたいな道が続いていて、急な斜面を横へ行ったり来たり。

道は幅広く造られていたけど、端の方から見下ろすと崖みたいだ。

落ちたら死ぬのかも。

日が暮れて来た。


霧が晴れて、雲が海みたいに見える。

夕日の色の雲がどこまでも続いていて、世界の果てみたいだった。
とても奇麗だったけれど、不安にもなった。


砂利道が終わると、砂走りとか言って、砂、砂、砂、たまに突出た石みたいな道というか、道。

周りはドンドン暗くなって、とうとう真っ暗になった。

頼りは足元を照らすピエールが持ってきた懐中電灯だけ。

私のは…、

宿で彼が懐中電灯を用意している時、「そんなんいると?」と言って、重いからと持って来なかった。

ごめんと言ってみたけど、そんなんじゃ済まないと思った。

遭難するんじゃないかと本気で思った。

足が疲れて、もつれて、滑ったり転んだりしながら、真っ暗い中をずっと歩いていた。

転ぶ度に、「ほっといて先に行ってください。」って言ってた。

一刻も早く帰りたかった。


「下山道」と書いてある看板を、"しもやまみち"と普通に読んでしまった自分がおかしかったが、そんなのどうでもよかった。


暗くて静かで、周りに何もないのが、怖くてしょうがなかった。


朝、杖を買ったお土産屋に着いたのは何時だったかも覚えてない。
とにかく、帰って来れて良かった。


頂上で朝を迎えるために登って行く人達を見送る。

「めちゃ遠いですよ!」と心の中で声を掛けてみる。

たぶん、そんなのみんな知ってると思うけど。

帰りの車で、ごめんとありがとうを繰り返して帰った。

何にしても、無事に帰って来られて良かった。



家に帰ってきたら、辛かった事もすっかり忘れて、「また登ってみたいね富士山。」なんて言ってしまう自分がいる。

大体決まって「懐中電灯は重くてもちゃんと持って行ってね。」とピエールは言う。


持って行きます。
防寒も、もちょっとちゃんとやります。
前の日から準備します。


そしてできたら、後先考えられる大人になりたい。



au one gree 2008/02/27