初めての富士山☆のぼり | 桃の上にも・・・

桃の上にも・・・

妄想バイクで爆走中☆

私はなんでも安易に考える。
それ故、物凄くたいへんな目に遇ったりする。

その代表格が富士山だ。

富士登山。


みんな登ってるから、なんか自分も登れるんじゃないかという幻想に執りつかれ、小学校の遠足ぐらいの勢いで、ピエールを口説き落とし、登る事になった。


私の中では…、

頂上まで遊歩道みたいなのが整備されていて、みんな一列に並んでドンドン登って行く。
登るのに3時間ぐらいかな。

朝から登って、昼過ぎに頂上で軽くごはんなんかを食べて、ま、疲れてるだろうから、宿には晩ご飯の時間ギリギリに着いて、旅館の人に"すみません。"なんて謝りながら、でも旅館の人も"いいんですよ。"なんて、ごはんを食べさせてもらって、風呂にゆっくりつかって、早めに寝る。

みたいな事になっていた。


そして、ついに登山当日。


富士山はよく写真で見るような富士山だった。
杖はお約束ってかんじで買って、余裕で登り始めた。

この山の中を抜ければすぐ頂上のはず。

暫くすると、なんだか変な風景に気付いた。

山がなかなか終らない、富士山もさっきと同じ、ぜんぜん近付いてもこない。

こんなに歩いているのに。

腹も減ってきた。

もう着いてもいいんじゃない?

ようやく山も抜けて岩場みたいなエリアに入った。

富士山はまだ写真のまま。

岩場を抜けると今度は砂。

足を取られて歩きにくい。

ドンドン寒くなってくる。

雨も降って来た。

"山の天気は変わり易いぜ。"なんて冗談を口にしても、内心はもう頂上まで辿り着けないんじゃないかと不安でいっぱい。

でも、誘ったのは私。
それは口に出せない。

しかし、疲労は頂点に。


自分の親のような年代の人達にドンドン追い抜かれていく。
みんな晴々とした笑顔で挨拶を交わす。

途中の山小屋で休憩する度、このまま降りた方が楽なんじゃないかと頭を過ぎる。

でも、降りても歩く事には変わりない、登るか降りるか、どうせ歩くなら、登るしかない。

途中で引き返す勇気もない。

登るしかない。

"山小屋で一泊して、残りは明日登る?"とピエールが聞く。

そんな事したら、明日は疲れと筋肉痛で起き上がれなくなってしまいそう。

どうしても、今日、今、登るしかない。

長い休憩は、私には危険。

短く休憩を取ってもらいながら、ひたすら登る。

まわりの景色を楽しむ余裕もない。

寒い、足が重い、辛くて涙が出てくる、鼻水を拭く気力もない。

女の子なのに。

どんな顔で登っているのかもの凄く気になる。

けど、それをどうする事もできない。

自分も同じぐらい疲れているのに"大丈夫?"なんて聞いてくるピエールに、また涙が出た。

"あとどれくらい。"、"あともう少し。"と励ましてもらいながら、足を交互に前に出す。
それが全て。

他に何も考えられない。

最後に、落ちたら死ぬんじゃないかと思うような、岩場を登り、やっと頂上へ。

やっと平らな地面が。
フラフラしながらその地面を歩く。


どんなに辛くても、てっぺんまで行くと決めたら、行ける。

私、証明できた。

やっと着いた。

やっと…。


「すみませ~ん。」声がする。

見ると若者二人組み。

「写真撮ってもらえませんか~?」

なんて、元気なんだ君達。
おばちゃんもうヘトヘトよ。
なんて、言える気力もなく、「いいですよ~。」

鳥居の前で記念写真を撮った。

どんなに疲れていても、いい人でありたい。

という、願望。


au one gree 2008/02/26