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my light shines on

昔やってた音楽ブログの記事の復活と、現在のわくわくするものをいろいろ、完全な雑記帳です。

ギレスビーと彼のバンドメンバーは驚きに満ちています。彼らの新しいアルバムはBeautiful Future。数年前の間に、バンドはノイズテロリストからレトロロックバンドへと方向を変えました。Beautiful Futureはプライマルスクリームがポップグループであるということを浮かび上がらせます。現在彼らからは予想もしてなかった思いもしなかった事が起こるということを学ぶべきでしょう、彼らという存在そのものが期待を混乱させるものなのだと。何年にも渡って、〝生き急いで、早く死ぬ〟ロックンロール論理に従って彼らはドラッグにまみれていました。彼らはもっと以前に解体もしくは爆発していてもおかしくない状態でした。しかし24年間を経て、依然として彼らは強い影響力を放つバンドです。もちろんメンバーチェンジはありました。しかしクリエイティブのコアであるギレスビーとギタリストのイネスは20年間に遡りますし、後から参加したベーシストのマニも12年間の積み重ねとなります。彼らは時代思想を特徴づけるアルバムを発表して、それに続く期待が彼らの終焉を急がせさえしました。そのことはマニの在籍したストーンローゼスが証明します。

私はマニがこのインタビューの場にいてくれてとりわけ嬉しく思いました。なぜならこのインタビューを始めたとき、私の最初の質問がギレスビー(ソファーの中に沈み込んだ)の軽蔑の鼻音に晒されたからです。これは少しばかり不穏な成り行きです。私がした質問というのはBeautiful Futureのアップビートな音楽の下で歌詞的にはダークなメッセージがこめられているのではないかという事でした。シンガーとは対照的なマニがユーモアたっぷりに答えてくれました。
そりゃある意味で伝統的なギレスビー式トロイの木馬って事なんじゃない?シリアスメッセージを素敵なバブルガムポップチューンの下で伝えてるのさ。

なんとか上手にまるめこんでギレスビーを会話に加わらせることが出来たので、彼はその質問が嫌いな理由を説明しました。

本気で曲の歌詞とかについてしゃべりたくないんだ、だって他の奴らが彼らの歌とか説明してるの聞くのが嫌いだからさ。思うんだけどこのジャンルって全てがあんまりにも説明しすぎじゃないか?だから神秘的な部分がなくなってしまう。ここんとこの音楽の問題のひとつはそこにミステリーがないってことだよ。もしそこにミステリーがなかったら、君はイマジネーションする力を失ってしまう。もし俺がここに座って歌の説明とか始めんだったら、俺は全てを台無しになっちゃうよ。

勘違いはしないでくれ、言葉は大事なんだ。俺は自分の歌っていることを信じているけど、君がもしアートギャラリーなんかに行ったりしたときにそこにある絵の全ての説明をアーティストにもとめたりはしないだろう。君自身のイマジネーションを走らせたいと思うだろう。歌詞を離して考えるべきじゃないんだ。歌詞、音楽、雰囲気、エネルギー全てが一緒にあるんだから。他にもバンドが話してることで俺が嫌いなのは、このレコードをつくるのにこんな苦労してとかそんな話だ。

それって大変ってわけがないだろ、楽しい時間じゃないか。
マニは言います。
このアルバムの音がアップビートに聞こえるんだったら、それは俺達がこの仲間の間でほんとに楽しんでるって事じゃないのか?俺達レンガでいっぱいの箱を持って梯子を上ってるって訳じゃないしな。その仕事は他の面では需要があるわけだけど、まぁ俺は自分が夢見てた事をやってるって事さ。

二人はPrimal Scream特有のケミストリーについて議論を始めました。誰かがそれを意図したわけではないのに、皆で一緒にプレーを始めたら、曲が突然に方向性を変えてそこにマジックが起きるのです。バンドは結合することでそれを引き起こしそれはまるでウイジャ盤(霊界と交信できる板らしい)が新しい何かを送ってくれるような感じです。

例として彼らはニューアルバムに入っているUptownの話を始めました。その曲の最初は純粋にスタンダードなディスコとして始まったのですがだんだんとユニークな特徴を持つようになっていきました。
まるでジャー・ウーブルが女の子とプレイしてるみたいなさ。
マニは言います。そのありえない組み合わせに彼はとってもご満悦のようでした。

言葉を超えてるってとこがこのバンドにはあるんだよ。
ギレスビーは言います。
それを誰かに説明しようなんていう奴はこのバンドにはいられない。
マニがそれに同意します。
そこにはESP的なことが働いてる。その場所に彼が行く前に、誰かがそこに行くだろうなってわかっちゃうんだ。

プライマルスクリームはトラディショナルロックバンドの中核といったバンドですが、バンド運営はとてもルーズであり、このケミストリーは最も素晴らしい部分です。ギレスビーはこのやり方をジョージクリントンがとった政治手法、そしてファンカデリックが行った信用できるミュージシャンを集めてラインアップを変化し続ける方法からインスピレーションを得たそうです。プライマルはバンドという枠組みで考えるのをやめて、プロデューサーとして考え始めました。曲がイメージするミュージシャンをバンドに迎えて、もし主要メンバーの誰かがその曲に必要ないことがあってもあまり気にしないことにしました。

もし誰かが「この曲じゃベース弾いて欲しくないんだけど」って言われたって、俺は俺の乳母車の上からガラガラを投げつける気はないよ。それで曲がよくなるんだったら俺的にはOKさ。俺達は厳しいバンドってわけじゃない。エゴなんてエゴチェック女にくれてやるよ。それに曲を聴いてくれる多くの人を喜ばせる前にバンドメンバーが喜ばせてるって事がいいだろ。

オープンドアポリシーはおもしろいコラボレーションを産み出します。今回のアルバムではThompsonが歌うフリートウッド・マックのOver and Overがバンドの新しいポップ感覚の部分を強調します。その音はどこからやってきたのでしょう。それは手の込んだ策略の上なんでしょうか。俺達は反復ビジネスってのをやってるってわけじゃない。俺達は実験が大好きだから。ギレスビーは話します。バンドは2006年の12月に前回のアルバムRiot City Bluesのツアーを終わらせて、やがてBeautiful Futureとなるアルバムのためにスタジオに召集されたのは2007年の1月でした。スタジオに集まって6週間後、ギレスビーはバンドが新しい方向に進んでいる事に気が付きました。

俺はアンドリューが今までとは全く違う感じでギターを弾いてることに気がついたんだ。それはもっと正確で機械的なんだ。

プライマルのケミストリーの始まりをボビーは思い出します。
アンドリューの始めたことでドラマーがプレイを変え始めてそれでマニもベースの弾き方を変えてきたから俺は今までとは異なるメロディーを考え始めた。アンドリューのギタープレイの変化が最終的に全ての演奏を変えてしまったんだ。

この新しい音は火曜日のマッシブアタックスメルトダウンフェスティバルでお目見えとなるでしょう。このフェスにプライマルは彼らが非常に影響を受けたバンド、MC5と共にステージにたつ予定です。マニはまだ彼のヒーローの前でプレイすることに失敗するのではないかと不安に思っていると話します。しかし彼はその事をポジティブに考えます。
恐怖はすごいモチベーションだし素晴らしい原動力さ。そいつを最大限に利用するべきなんだ。
そうは言ってもプライマルスクリームは全ての事を最大限にするバンドです。歌詞について話すことを除いては。