- 記録として最初に紹介する本は、あゆとたいの子供用棋書のつもりでしたが、先日のぽぽ母さんの日記 が頭に残っていたので、勝手にリレー日記のつもりで。
- 聖(さとし)の青春 (講談社文庫)/大崎 善生
- ¥680
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将棋ファンの方には、私なんかが紹介するまでもない、この本。
お名前はなんとなく知っていましたが、将棋の世界にハマって、初めてきちんと読みました。
将棋が大好きで、将棋だけが自分を表現出来る唯一の方法で、純粋で率直で、でも常に死と直面した者のみが時おり見せる峻烈さと憂い。
自分が将棋に勝てば、誰かが負ける。
爪を切るのも髪の毛を切るのもいやがった青年が、他人を蹴落として上にあがることを決してよしとせず、
「早く名人になって将棋をやめたい。」といっていたその事実。
常に残された時間と戦っていた村山さんの生前のありのままの姿を読ませていただいて、震えました。
村山聖さん、実は私と数ヶ月しか誕生日が違いません。
亡くなるまでの記録だと知っているだけに、本が終わりに近づくのがいやで、読みすすめるごとに読むペースが落ちました。
私事ですが、今年の4月に、高校時代からの大切な友人をガンでなくしました。
肝炎が悪化して、10年間に2度の肝臓部分適出を経た後の昨年8月、3度目のガン発病でした。
バイク仲間からギルと呼ばれ愛されたその彼は、積極的に自分の病気のことを公開し、
「あきらめないで頑張るから応援してくれよ!」
と友人達に呼びかけたのでした。
30歳のときに、「あと10年生きるのが目標」みたいなことをあっけらかんと言っていたギル。
自分に残された時間が少ないことを自覚している人間の生き様は、こちらの生き方まで変えてしまうパワーを持っていました。
「聖の青春」をギルに重ねずに読むことは不可能で、電車の中で読むのは苦労しました。
ただ一方で、村山さんの無念さもさることながら、子が親よりも早く逝くことの不幸に想いが募ったのは、私も人の子の親になったからでしょうか。
ネフローゼの発症は、大きな病院にかかるのを遅らせた自分達のせいだと自責の念にかられるご両親。
マムシに石をぶつけた怨念のせいだと悔やむ実兄。
どれだけたっても、その想いが消えてくれることはないでしょう。
今日と同じような明日がやってくることは、決して当たり前のことではありません。
健康に働けて、働けばお金がもらえて、お金をもってスーパーに行けば食べ物が買えて、隣町に行けば楽しく将棋を教えてもらうことができる。
そんな当たり前に見える幸せに、常に感謝しながら生きたいと、あらためて思いました。
残念ながら子供を授からなかったギルが、仲間達と1年に1度、クリスマスパーティのために訪ねていた児童養護施設があります。
今日、彼の遺志をこの目で確かめようと、彼のいない初めてのクリスマスパーティに参加してきました。
ギルのことはまたあらためて、ご紹介させていただきたいと思っています。
すべての子供たちに、どうか素敵なクリスマスを。
追伸 ぽぽ母さま
ご友人がどうか元気に回復されることを心よりお祈りしています。
ギルは結果は残念でしたが、病気と上手に共存しようとしていました。
ぽぽ母さんはじめ、ご友人のご友人の方々に、少しでも歩調をあわせられたら、と思って書かせていただきました。
勝手に「リレー」とか言ってギルの話を書いたことで、万一、ご友人のご病気の悪化を連想させてしまうとしたら本意ではありませんのでどうかご容赦ください。