仕事が終わると

会社から少し離れた駅で軽く食事をして帰る

一日のうちのほんの数時間だけの

幸福な時間


たわいもない話から仕事の話

お酒と美味しいご飯

たまにはマクドナルドでハンバーガーを食べながら。

ほぼ毎日こんな時間を過ごしている


今日もそんな時間を過ごして

名残惜しくも終電の時間を気にしながら山手線に乗り込んだ

最近仕事が忙しくてちょっと疲れお酒の力も手伝ってか

電車のシートに座ったとたん

私は眠くなってウトウトしだした


それに気づいたヤスは

私の頭を自分の肩にもたれさせ

「寝ていいよ」と頭をポンポンとたたいた

時間がもったいないと思いながらも

その肩があまりにも温かくて

ほかほかと眠ってしまった


私の乗換えの駅について

ヤスに手を振り私は一人電車に乗って家路につく

さっきの眠気を引きずってまたすぐに寝てしまった

最寄駅の1つ前の駅でふと目を覚ます

がらんとすいた車内


私の右側の席も空いていて

寝ぼけていた私は

突然不安になりヤスの姿を探した


アレ?ナンデイナイノ??


さっきの電車の中で私がもたれていた肩はどこ?

温かい手はどこ?

ひとしきりキョロキョロして

現実に帰った私は空いた右側をみつめていた


携帯電話が鳴るヤスからだ

「寝過ごしてないか?」

大丈夫だよ と小さく返事をして

「寝ぼけてるのかよ(笑)」

寝ぼけてたみたい 大丈夫!!

っと精一杯明るい声で返事をする



一人は寂しいよ…という言葉を飲み込んで。