就活のセミナーがあった。原付で駅に向かう途中スピード違反で捕まるというハプニングはあったものの警官に悪態をつくこともなく無意味な会話をさっさと済ませ、なんとか電車に間に合い目的地そばの駅に到着。電車を降りる。と、ここで目の前の景色になにか違和感を覚える。自分の鼻が視界に入ってむずがゆいような・・・そんな感じがする。しかもいくら景色を追い越しても違和感は続く。はてな??
そしてやっと気がついたのは大阪城ホールの階段を上っているとき。僕はスニーカーを、それも真っ白のスニーカーをはいていたのだ。さっきからこれが歩を進める度に視界に入ってきていたのだ!!あぅまぁいがっと!!である。会場まではあとちょっとだ。周りには就活組が増えてきた。
どうすんだ?このまま会場に行くのか?どうすんの?得意のてんぱり癖が速くも顔を出し始める。しかも僕の頭はなぜかこのシチュエーションを説明する言い訳を考え始めている。メモリはもう満杯。CPUはフル回転。顔も熱を帯び始めた。
水溜りで濡れて代わりにスニーカー・・・却下。昨日は晴れだった。
掃除のおばちゃんに水をかけられて・・・却下。ズボンがぬれていない。
うんこを踏んで・・・。嘘でもいいたくない。
誰にも語られることのない言い訳に脳をフル回転させて考えている間にも会場は迫ってくる。と、ここで名案が浮かぶ。そういえば映画『ショーシャンクの空に』の主人公アンディが「人は足元まではなかなか見ない」みたいなことを言っていたではないか!!
僕はそれにかけた!スーツに白いスニーカーは無茶だと知りながらもかけた!惨敗。やっぱり無茶だった。会場全体に見られている気がする。僕は黒い靴を求めて大阪城から京橋のダイエーを目指して走った。それはもう中学生のように走った。周りの視線を一身に受け止めながらダイエーの靴屋さんにそらもう駆け込んだ。そんで言ってやったんさ。一番安い黒い靴ください。2900円。僕は心の中で泣いた。警官と同じくらい靴屋の店員が恨めしく思えた。