切り餅事件 | 首都圏放浪記

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世田谷のはち公が、日記を兼ねて、東京湾周辺の日常や、関東甲信越のツーリング情報を綴ります。

世の中、三連休なのに、今日の午後だけの半休でした(/_;)/~~


昨日は、世の中「鏡開き」、我が家も、飾り餅の中に入った「切り餅」を焼いて、ぜんざいを美味しくいただきました。


さて、「切り餅」を焼く時に思い出すのが、今日のタイトルの「切り餅事件」。


これは、「切り餅で、誰かを叩いたとかいう事件」ではなく、


特許を知る人のあいだでは有名な、特許紛争です。


(1)特許は登録されても安心できない


(2)特許は、出来れば、出願しない方がよい





さて、「切り餅事件」とは


佐藤食品工業の「サトウの切り餅」(サトウ餅)の好調な売り上げに危機感を感じた(?)越後製菓は、


「サトウ餅」が自社特許を侵害していると


東京地裁に販売停止と損害賠償を訴え出ました。


この審判は、最高裁まで続き、特許の書き方、無効審判、などなど、内容が豊富なため、特許に携わる人たちの教材にもなっています。


越後製菓の特許は、次のように、切り餅の「側面に切込み」があって、切り餅を焼いたときの膨れ上がりが側面から綺麗に出るというものでした。



(越後特許)


一方、訴えられた「サトウ餅」は、次のように、「側面に切込み」があると同時に、「上下面にも十字形の切込み」がありました。



(サトウ餅)


裁判の結果は、以下となりました。


東京地裁:サトウ餅は無罪(越後特許を侵害しない)


知財高裁:サトウ餅は越後特許を侵害する。約15億円の損害賠償


最高裁:平成24年、佐藤の上告を棄却


この裁判では、すでに登録済みの特許の無効審判まで争われました。


金を持っている大企業が邪魔な特許を潰しに来る例はいくらでもあります。


だから「特許は登録されても安心できない」です。



2番目の「特許は、出来れば、出願しない方がよい」




出願した特許を特許庁で審査してもらい、特許として登録してもらうためには、次の二つを認めてもらう必要があります。


「これまでより進歩している」


「いままでになかった新しい物、新しいこと」




この二つを認めてもらうには、


「製品の構造、作り方など細かいことを洗いざらい書いて」


説明する必要があります。


もし、自社の戦略製品を守ろうと特許を出願して、公開された後


特許として認めてもらえなかった(拒絶された)ら、


「みなさん、ここに、構造と、詳しい作り方が書いてあります。


特許登録されませんでしたから、どうぞ模倣してください。」


ということになります。






実は、3年前に、自社の戦略製品となるべきものを開発しました。


その道の専門家が解体したら模倣される可能性がありました。


これを守るため、


「必ず特許登録してもらう」という覚悟で、出願しました。


ところが、特許庁から来たのは、


「拒絶理由通知書」(この出願は、次の理由で、特許とは認められません)













ここで、終わったら、「何のための開発だったのか」に。



期限の2か月間、


必死に、


「これまでより進歩している」、


「これまでになかった新しいもの」


を説明する資料を作り、意見書を作りました。




特許庁の審査官も、「人間」ですね。


「特許査定」をしてくれました。


昨年末、特許証が届きました。


でも、「安心はできません」