【麻疹Q&A】年長さんになる前にMRワクチン2回目って必要?
こんにちは、相川晴(HAL)です。
今日は、よくご質問いただく
「1歳以上6歳未満(年長さんの学年未満)で2回目のMRワクチンって打った方がいいの?」
について、お答えしたいと思います。
流行していない今だからこそ、あらためて知っておいてほしい内容です。(と言いつつ、ちょっと今麻疹患者さんが増えていますので気をつけてほしいのですが……)
まずはMRワクチンの基本から
麻疹(はしか)のワクチン、MRワクチンについて、基本はこうです。
📌 流行していなければ、定期接種スケジュールに沿って合計2回接種すればOK。
1歳で受ける第1期定期接種と、就学前1年間の第2期定期接種、
この2回で十分な抗体がつくとされています。
通常、第1期、1歳の接種で95%以上のお子さんに抗体がつきます。
その後、第2期、年長さんの学年の間に2回目を打つことで、ほぼ100%が抗体陽性になる、という仕組みです。
ちなみに、1回で一旦抗体はできますが、そのまま2回目をずっと打たずにいると時間経過で徐々に抗体が減ってきて効果が薄れてしまいますので、必ず「2回」接種するようにしましょう!
ただし「個人差」はあります
ここからは、個別の事情も含めたお話です。
MRワクチンはたいへん優秀でして、前述したように1回でもほとんどの人に抗体がつくと言われていますが、
約5%の方には抗体がつかないことがあるんですね。
これを 「primary vaccine failure」 といいます。
つまり「1回目で抗体がつかない人が少数いる」ということ。
でも大丈夫。
✅ 第2期で2回目を接種すれば、ほぼ全員が抗体陽性に なります。
1回目で95%(添付文書の資料ではほぼ100%)に抗体ができるわけですから、大多数の人は大丈夫なわけですね。
なので「焦って2回目を早める必要はない」という考え方もあります。
特に麻疹が流行ってない状況では、わざわざ早める必要もないですよね。
日本では麻疹排除状態と言いまして、日本には麻疹のウイルスはなく、海外からの持ち込み以外では流行しない状況となっています。
なので、基本の話で書いた通り、定期接種スケジュールに沿って接種すれば問題ないです。
しかし……
流行している場合は?
ここが悩みどころだと思います。
✔ 95%なら大丈夫!と思うか
✔ 5%のリスクが不安だから早めに打つべき、と考えるか
これ、どちらも間違いではないんです。
実際に、CDC(アメリカのガイドライン)では
「1歳以上で海外旅行に行く場合は、28日以上あけて2回接種推奨」 となっています。
日本の指針は?
2018年に国立感染症研究所が出している資料では、"1 歳以上第 2 期定期接種対象期間に至る前の幼児で、麻疹含有ワクチン 1 回接種者については、麻疹患者との接触の程度、状況に応じて、緊急避難的な場合に限って検討する。"となっており、要するに
✅ 「1歳で1回接種済みの子どもは緊急で2回目を打つ必要はない」
ただし次のような状況では接種を検討します。
💡 麻疹患者と接触した場合(同じ保育園や家族内など)
💡 流行地域にいる or 海外渡航を予定している場合
というスタンスになっています。
接触後 72時間以内にワクチンを接種することで発症予防が期待できますので、
「麻疹患者さんと接触したことがわかったら、すぐにかかりつけの小児科に相談」が安心ですね。
過去の事例も参考に
たとえば、モンゴルでの大流行(2015~2016年)では、
生後6か月~5歳までのすべての子どもと、18~30歳の大人に対して、
追加接種(3回目)を実施 した例もあります。
その時々の流行状況や国の方針によっても対応は変わります。
流行状況によって対応は変化しますので、今後の麻疹の流行状況に注目しておきましょう。
気になる「デメリット」は?
よくあるご質問ですが……
「早めに2回目を打つと、抗体がつきにくくなるのでは?」
「副反応が強くなるのでは?」
この点は、私も色々調べましたが、明確にそういったデータはありません。
実際に、
✅ アメリカでは12〜15か月で1回目、4〜6歳で2回目の定期接種
✅ モンゴルではもっと早い時期での追加接種
など、世界的にもさまざまなスケジュールが実施されていますし、大きな問題はないだろうと考えています。
まとめ
✔ 流行していなければ、定期接種通りでOK
✔ 流行している or 麻疹患者と接触したら、2回目を前倒しもアリ
✔ 海外旅行に行く時は接種を検討しよう!(特に今ベトナムでの感染者が増えています。欧米含め世界的に増加しているので注意!)
✔ 最終的には、かかりつけの先生と相談して決めてください
麻疹は、命に関わるリスクもある感染症。
状況に応じて、無理なく最善の判断ができるといいですね。
ご家族や身近な方にも、ぜひシェアしていただけたらうれしいです。
参考