「ハイハインに基準値超えの重金属(カドミウム)が検出されて、台湾で廃棄処分になったらしいぞ!」

 

というような情報が駆け巡りました。

 

「ハイハイン、赤ちゃん向けなのに」

「もう食べられない」

「食べさせちゃった、どうしよう」

「日本のも危険なんだよね」

 

等々の反応が見られましたが、さて、簡単に解説します。

 

 

ハイハインは危険なのか?

 

まず、台湾で基準値超えのカドミウムが検出されたのは本当です。

台湾FDAのサイトがありますので紹介します。

2025年1月14日の発表で、検査の受付日は2024年12月19日。

 

ハイハイン→0.046mg/kg

野菜ハイハイン→0.044mgkg

 

が検出されました。

これらは、台湾の乳幼児向け穀物類補助食品および副食品の基準値である、0.040mg/kgを超えており、基準を満たしていないので返品もしくは破棄する、という対応が取られています。

 

 

 
「えっ、やっぱり本当じゃん、ヤバいんじゃないのハイハイン」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、日本と世界の基準も合わせて確認してみましょう。
 

 

カドミウムとは?

 

そもそもカドミウムってなんじゃというと、重金属の一種です。土壌や海水などに広く存在するものなので、我々が食べている農畜水産物に微量ですが含まれています。そう、そもそも普通に含まれている比較的身近(?)な重金属なんです。
じゃあなにがいかんかというと、大量に長期にわたって摂るとよくないよ、腎臓に蓄積して腎機能障害を起こしたりするよ。有名なのは学校の公害の授業で習った「イタイイタイ病」の原因物質だよ、ということですね。(ちなみにイタイイタイ病はカドミウムに汚染された地域に住み、高濃度のカドミウムを長期間に渡って摂取した&その他の要因も絡んでいるので、今回の件とは別次元の話と思っていただけるとよいです。量として桁違いです)
 

 

カドミウムの基準値(国際基準CODEX、日本、台湾)

 

イタイイタイ病のようなことはないとしても、摂りすぎるのはよろしくないのがカドミウムです。ということで、国際基準が設けられています。
国際基準はCODEXといって、国連の専門機関であるFAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が共同で作っています。
CODEXの基準はここにあります。
 
カドミウムに関してはいくつか項目があるのですが(食品ごとにわけて記載されている)今回問題になるのは、ハイハインの原材料の「コメ」ですね。
 
コメのカドミウムの上限の値は0.4mg/kg
 
とCODEXで定められています。

 

 

じゃあ日本はどうかというと、日本もCODEXに準拠しています。

 

玄米及び精米で0.4 ppm(1 kgに含まれるカドミウムの量が0.4 mg = 0.4 mg/kg)以下

 

というのが日本の基準となっています。

 

 

しかし、実際に日本のコメのカドミウムの濃度ってどのくらいだろう? と調べてみましょう。

H21年、22年に2000の試料を元に解析した結果がありますが、こちらでのカドミウムの平均濃度は0.05mg/kg(中央値は<0.04mg/kgの定量限界値未満、最大値は0.4mg/kg)となっており、実際の分布を見ると0.05mg/kgを下回るものが7割以上となっており、上限の値よりかなり低い数値となっています。

ハイハインは国産のうるち米を原料に作られているので、0.044mg/kgというのは納得のいく値ではないかと思います。お米食べてるのと同じくらいのカドミウムの量ですね。

 

じゃあ台湾はなぜあんなに基準が厳しいかというと、実はコメの基準は日本やCODEXと同じでして、0.4mg/kgなんですよ。

(こちらに各国の基準が書かれているのでよかったら。)

https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/kome_yusyutu/attach/pdf/kome_yusyutu-287.pdf

厳しいのは、乳幼児向けの穀物類補助食品および副食品に関してだけですね。

 

あれ? じゃあ日本は乳幼児向けの基準ってないの?

と思われると思うんですが、国が決めた基準はありません。ないんかい。

ないので、日本ベビーフード協議会(日本のベビーフードを作ってる大手の会社が共同で運営している団体)が自主基準を決めてます。(国がちゃんと設定しろよ、とは正直思うところですが)

 

 

"製品中の重金属等は「ウエットタイプベビーフード」および標準濃度に調製した「ドライタイプベビーフード」について、それぞれ次の基準に適合するものであること。"

 

ということで、カドミウムについては0.2ppm以下0.2mg/kg以下と同じ)と定められています。コメの半分の値ですね。

 

ですので、ハイハインは0.046mg/kgと0.044mg/kgでしたので、日本のベビーフードとしては基準を満たしているわけですね。(「ドライタイプのベビーフード」はフリーズドライとかのやつを水戻ししたものを想定してると思うので、ハイハインを全粥レベルに加水したと仮定するともっと数値は低くなると思います。まあハイハインはそもそもベビーフードでもないか。)

 

台湾の基準がどうやって定められたかまでは調べられなかったのですが、乳幼児向けなので安全係数を0.1にしているとかなのかなあ。なにかデータがあるのかもしれません。

 

 

じゃあハイハインは危険なの?

 

じゃあハイハインは結局危険なのか? という話になります。

水分だったり調理だったりでいろいろ数値が変わることはひとまず置いておいて、ハイハインはカドミウムの濃度として日本のコメと大体同じくらいの濃度なので、お米を食べるのとそんなに変わらないのでは?

ハイハインを主食以上に食べさせることはないと思うので、そもそもそんなに量を摂取しませんし、他の米菓も調べたら似たような値と思うので、ハイハインだけを避ける意味はないのでは?

 

というのが個人の感想となります。

うちの子たちはハイハインもぐもぐ食べて育ちましたが、特に心配してないですよー。

という感じですね。そのくらいの数値です。

別に台湾が間違っているわけでもないですし、日本が間違っているわけでもないです。台湾って基準が厳しいんだなあ。そのくらいの感想です。

 

(ここに書くとヘイトを広げそうなので書きませんけれども、今回のハイハインの騒ぎについては、ハイハインに問題あったからではなく、炎上&PV稼ぎの目的で某サイトが取り上げたんだろうなと思ってます。ニュース"風"サイトが取り上げただけで、ニュースになってないでしょう? なんだかなあ。)