白いドレスの女(1981)
昔、脚本の勉強をしていた時に本作が教本になっていました。
結構深く読み込んだ記憶があります。
スターウォーズシリーズや、インディ・ジョーンズシリーズでおなじみの脚本家、ローレンス・カスダン。
有能でプレイボーイの弁護士、ウィリアム・ハートが、美人の人妻、キャスリン・ターナーに溺れ罠に嵌り堕ちていく様を描いたサスペンスです。
教本になるだけあって、脚本はよく書けていると思います。
この手のサスペンスにありがちな、クライマックスを台詞ですべて片付けてしまうような描写がありません。
どちらに転ぶかわからないような展開を、絶妙な場面変換で進めていくところはさすがだと思います。
映画を見慣れている人なら、冒頭から結末まで、こいつは怪しいぞと疑ってかかると思うのですが、まるでそれがわかっているように観客を転がしていくのがうまいですね。
ちょっと癖のある悪女に、キャスリン・ターナーが扮し、落ちていく弁護士に、無個性な、ウィリアム・ハートを配したのはキャスティングの妙。
主役が出過ぎないのがこの手のサスペンスには必要ですからね。
こういった作品には、脇が大事。
そんな脇役の中で、爆弾魔を演じる、ミッキー・ロークは光ってました。
男の私から見ても色気ありましたよ。
完全犯罪を目論む、キャスリーン・ターナーの魅力は満載なのですが、あの手段でどうしてそれが成立してしまうのだろうという設定の甘さを感じてしまったのは残念。
でも、いまだ暑い日が続く今の季節。
1時間半強くらい手に汗握って鑑賞するにはいいんじゃないのかなと思います。
原題の『 Body Heat』がいろんな意味でエロティック。
『白いドレスの女』 Body Heat(1981)
ローレンス・カスダン監督 113分
1982年2月日本公開
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