『ザ・ブルード/怒りのメタファー』 原題:The Brood
1979年(カナダ) デヴィッド・クローネンバーグ監督作品
邦題で損をしていますが、
なかなか怖いクローネンバーグらしいホラー作品。
妻が隔離病棟で病気の治療中の主人公。
ある日、
娘が妻と面会したのち、
娘の身体にせっかんされたような傷があることに気付いた主人公は、
妻による虐待を疑い、
真相をただすために妻の療養している病院に向かうが、
何故か院長に面会を断られる。
義母が娘の世話をするために家に来てくれたのだが、
子供のような不気味な生物に撲殺され・・・
イントロはこんな感じで始まるのですが、
途中から、
どうも母親の怒りが連続殺人事件に絡んでいるらしいと分かり始めるところから面白くなります。
この母親のサイコっぷりが見どころの一つで、
治療という名で行われているカウンセリングで、
不気味な笑みを浮かべながら怒りまくります。
当然、
クローネンバーグ作品ですから、
ネチャネチャとした粘着質な恐怖場面もあります。
母親の怒りが頂点に達した時のクライマックスシーンもなかなか強烈で、演出にも気合が入っています。
集団の子供(?)たちが無表情で殺しに来るのです。
さらなる悲劇を予告するエピローグまで、
近年のクローネンバーグ監督作品のように懐柔的にならず、
わかりやすく後味が悪いのもいい。
低予算のB級ホラー作品ですが、
部屋を暗くして大画面で楽しめが雰囲気が出ます。
おススメ!
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