アメリカン・ヒストリーX | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

アメリカン・ヒストリーX』 原題:American History X

1998年(米) トニー・ケイ監督作品

 

過激な予告編をみたところ、

白人と黒人が血で血を洗う争いを行う、

いままで、うんざりするほど観てきたパターンの作品かなと思っていたのですが、

いえいえどうして、

和解と赦しの思いの詰まった作品でした。

 

白人至上主義を唱える兄弟。

兄のデレクは、

強盗に入ろうとした黒人を射殺し刑務所に送られた。

 

弟のダニーは、

そんな兄を崇拝していた。

 

3年の刑期を終え出所してきたデレクは、

差別主義者たちのリーダーに祭り上げられており、

そんな兄をダニーは誇らしく思った。

 

しかしデレクは、

まるで別人のように平和主義になっており、

ダニーに差別主義はいけないと諭す。

 

そしてデレクは、

刑務所内で起こった衝撃的な事実を、

ダニーに語るのだが・・・

 

憎しみの連鎖は断ち切ることができない。

そう強く思わせる衝撃のラストでした。

 

それでも人間は赦すことができるのか?

その思い問いかけを観客に投げたまま物語は終わります。

 

白人と黒人の壁を乗り越えようと訴えて、

キング牧師は殺されました。

ちょうど50年前に起きた事件ですが、

アメリカはそのころと変わっていないようです。

 

ダニーが学校で、

『我が闘争』のレポートをやり直しさせられ、

そのレポートのタイトルが、

『アメリカン・ヒストリーX』なのですが、

そのレポートの結末はあまりにも悲しいものでした。