『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』
2008年(日) 若松孝二監督作品
政治的な視点でのレビューは避けよう。
1972年の史実に基づいた人間ドラマとして綴っていこうと思う。
あさま山荘事件といっても、
ピンとこない世代が多くなってきたと思う。
本気で日本の共産主義化を唱え、
革命を起こそうとした連合赤軍という組織の残党が長野県のあさま山荘に人質をとって2月19日から2月28日まで立てこもり、
警察隊との銃撃戦を繰り広げた事件です。
学生を中心とした、
革命左派と赤軍派の二つの組織が一緒になったのが、
連合赤軍。
彼らは自らの思想を正当化するために、
たびたび自己批判をし、
少しでも思想的に外れた同士に対しては、
総括という自己批判を強要し、
エスカレートしたメンバーはリンチ死まで至らせることあった。
この作品の連合赤軍のメンバーたちは、
とても純粋に見える。
でも、
純粋であることは危険でもあるということを映画は語り掛ける。
共産革命という崇高な(少なくとも自分たちはそう信じている)目的を達成しようとするにしては、
この組織のリーダーたちは未熟すぎた。
総括という名のリンチに違和感を覚えながらも、
メンバーの誰も声を上げることができない。
それが正しいと信じることが楽だからと思える。
思想を疑うことのできないメンバーたち。
高学歴なのに嘘っぱちの終末思想に共感し盲目的に教祖を信じたオウムの信者たちとダブって見える。
あさま山荘で、
いよいよ追い詰められたメンバーたちが、
この場においても自己批判をしようとするのに対して、
そのうちの一人が、
『今更総括して何になる!俺たちは勇気がなかったんだよ!』と叫ぶ。
このセリフをどうとらえるかによって、
作品の見方が変わってくる。
今からわずか四十数年前の出来事。
方向性、
思想的なことは別にして、
この時代の若者は熱かった・・・
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チームは低迷してますが・・・