『進め!ジャガーズ敵前上陸』
1968年(日) 前田陽一監督作品
癖になる面白さ。
グループサウンズ関係の映画は数々あれど、
この作品はそのなかでも面白さとサービス精神という点において、
ひとつ上を行っている。
莫大な金塊によって世界各国のリーダーを買収し、
世界征服をたくらむ内田朝雄。
その取引を偶然目撃してしまったジャガーズの信と伊東四朗。
二人はジャガーズの面々や中村晃子らとともに、
内田の部下らから命を狙われることになる・・・
全編パロディ、パロディ!
日本でもこんな作品ができるのだなあとうれしくなる。
筋立てや悪役の内田朝雄の扱いは、
そのまんま007シリーズのブロフェルド。
残虐非道なやり口がそのままギャグになってしまう。
と、思うと、
ジャガーズの信がマカロニウエスタンのクリント・イーストウッドに扮して、
いかにもマカロニウエスタンらしい展開になる。
ドリームランドを借り切っての悪党とジャガーズ面々の追いかけっこ。
寒いギャグが連続するのだが、
ここまで徹底してくれると思わず笑ってしまうから不思議だ。
それからプールに舞台を移して、
水着姿の松竹パンチガールズにジャガーズが狙われるサービスショット。
このパンチガールズが、
のちの戦隊ヒーローのように赤、青、緑、白、ピンクと色分けされている。
そしてジャガーズのリーダーが唐突に、
『スキーに行こう』と言い出し、
スキー場へ。
そこでも悪役に追われるジャガーズたちだが、
その際に松竹パンチガールズが、
ボス内田朝雄の娘を誤射して死亡させてしまう。
パンチガールズの5人は、
スキーのストックで刺されて粛清されてしまうのだが。
このシーンがかなりブラック。
娘の遺言で、
内田朝雄の本部が硫黄島にあることを知ったジャガーズの面々は、
組織を壊滅させるために硫黄島へ。
そこには、
終戦23年経っても終戦を知らない日本軍兵士が島を守っていた。
この兵士の描写が秀逸で、
いわゆる戦争をしらない子供たちであるジャガーズ面々との、
戦争観の違いがギャグの中に鋭く描かれる。
すっかりフラワームーヴメントに飲まれてしまったような、
ナルシストの警部役に三遊亭円楽。
怪演とはこのことをいうのだろう。
世界征服をたくらむボスの役は、
当初、三島由紀夫に依頼したらしい。
全編を通じて漂うサイケデリックな雰囲気。
突然ヒガシマル醤油のうどんスープのCMが入るのは驚いた。
遠慮も何もありゃしない。
合間に挟まれるジャガーズの曲。
観客のいない遊園地のステージで演奏する彼らの姿がシュール。
ヒロインの中村晃子の歌が懐かしくうれしい。
目力が強くとても魅力的。
愛すべきB級映画。
こんな作品大好き!!
予告編
中村晃子虹色の湖
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