『としごろ』
1973年(日) 市村泰一監督作品
ホリプロと松竹が提携したアイドル作品です。
森昌子大々的に売り出しの一篇となっております。
中学を卒業して町工場で働く森昌子。
同級生の優子(秋谷陽子)はバレーボール部のチームメイト。
彼女は実力を買われてバレーボールの名門校に進学。
昌子が卒業した中学のバレーボール部は、
卒業生の和田アキ子がコーチとして奮闘しており、
キャプテンの淳子(石川さゆり)も意欲に燃えていた。
工場で昌子は、
集団就職でやってきた雄二(夏夕介)と仲良くなる。
主任の村野武範はいい相談相手。
そんな絵に描いたような青春を送っていた少女たちだったが、
ある日事件が起きる。
ちょっとしたすれ違いで、
昌子と待ち合わせすることができなかった淳子が、
あろうことかチンピラに絡まれレイプされ、
挙句妊娠してしまう。
クラスの優等生と二人で海に入水自殺してしまう二人・・・
ストーリーを追うのはこのくらいにします。
歩いている森昌子がいきなり“中学三年生”を歌いだしたり、
なぜか西城秀樹のコンサート場面が挟まれたり、
和田アキ子や実業団のスカウト役の堺正章が歌ったりと、
王道スター映画なのですが、
石川さゆりのレイプシーンだけが作品のムードを異様なものとしている。
当時15歳だった石川のヌードを客の呼び込みに使いたかったのか、
森昌子と同様アイドル路線を歩もうとしていた彼女には似合わない役だ。
(裸は吹き替えだと思われるが・・・)
当時の石川さゆりは大島優子に似ている。
バレーボールの強豪校に進学する優子は、
なんとバレー部のコーチ(森次浩二)が学費まで面倒をみて、
コーチの家に下宿。
教師と生徒が一つ屋根の下に暮らすというトンデモ設定。
母親の、
『女の子でも高校くらい出ていないとね』という、
今では時代的とも思えるセリフが興味深い。
曲名はわかりませんが、
劇中和田アキ子が歌う曲がとってもいい。
あの鐘ばかり鳴らしてないで、
こんな歌を歌ってほしいな。
山口百恵が森昌子の一学年下のお嬢さん役でちょっと出演。
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