家族ゲーム | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



家族ゲーム

1983年(日) 森田芳光監督作品


テーブルに横一列に並んで食事をする構図が印象的な、

森田芳光監督によるブラック・コメディ。


父、母、長男、次男の四人家族の沼田家。

長男は名門“西武高校”に進学した優等生であったが、

次男茂之は劣等生。

成績も下から数えて一ケタの状態だった。


父親はそんな次男のために家庭教師を雇う。

実は家庭教師はこれで6人目で、

今まですべての家庭教師が茂之の素行不良しあきれて辞めていったのだった。


雇われた家庭教師は吉本。

決して一流大学ではない出身で、

鉄拳制裁も辞さない型破りの人物であったが、

それが功を奏し、

次第に成績を上げていく茂之だったが・・・


目玉焼きの黄味だけを吸い取る父親、

奇妙な動きが印象的で幾何学的なジェットコースターの模型、

冒頭に書いた、奇妙な食事風景。


ワンシーンごとに印象に残る傑作といっていいでしょう。


無表情な家庭教師、松田優作がいい。

ラストの無秩序な混乱が、

無表情が故に混沌とした印象を残す。


音だけで姿を現さないヘリコプター。

平穏な中に、何か底知れない不安を煽る。


狂言回し的な母親、由紀さおりもうまいが、

15歳の男子という、

生理的に一種一番気味が悪いころの様子をうまく演じた、

宮川一郎太は殊勲賞もの。


「初めての生理はいつだった?」なんてことを、

母親に聞いたりする。


エンディングで壊れた食器を片付ける家族。

それは家族の修復を意味するのか?


音楽が全く流れず、

シーンによってはセリフさえもカットしてしまう森田監督の才気に、

ただ脱帽するのみです。


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