ブラック・ダリア

『ブラック・ダリア』　原題：The Black Dahlia

2006年（米）　ブライアン・デ・パルマ監督作品

さて、本日もデ・パルマ作品です。

1940年代に実際に起きた未解決猟奇殺人事件をヒントに描かれた、

ベストセラー小説の映画化です。

ボクシングが縁で殺人課の特捜部に配属された2人の刑事。

そこで上半身と下半身をバラバラにされ口を耳まで切り裂かれ、

局部を切り取られた女性の死体が発見される。

二人のうちリー刑事は、

この事件に異常ともいえる執着を見せ、

常軌を逸した行動を見せる。

もう一人のバッキー刑事は、

リーの彼女のことが気になり、

なんとなくの3人の共同生活が始まるが、

異常な行動を見せるリーはバッキーの父の家に移り住む。

捜査をすすめるうち、

殺された女性にそっくりの女が現れ・・・・

なまくらになってしまいましたね、

デ・パルマの演出力。

まったく冴えない。

謎が謎を呼ぶサスペンスになるはずが、

展開のテンポが悪く、

状況がよく呑み込めない。

デ・パルマらしい演出がかろうじて見れるのは、

リー刑事が殺されるシーンくらい。

それでもかなり物足りない。

猟奇殺人サスペンスは、

デ・パルマ監督の得意分野だったはずなのになあ、

うってつけの題材だったはず。

デヴィット・リンチあたりが監督していたら、

もっと面白くなったかも。

唯一うれしかったのは、

デ・パルマ監督の最高傑作、

『ファントム・オブ・パラダイス』の主演ウィンスローを演じていた、

ウィリアム・フィンレイの姿を、32年ぶりに拝見できたこと。

なんと懐かしかったことか。

よほどのデ・パルマ監督のファンである方以外には、

あまりお勧めしません・・・

あの時の映画日記～黄昏映画館