生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます



生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言
1985年度(日) 森崎 東監督作品

製作年度は1985年だが、
この作品の持つメッセージは、現代まで受け継がれていかなければならないものだ。

主人公のバーバラは、15年ほど前に荒れた沖縄を離れ、
全国を巡業しているストリッパーである。
(この暴動はWikipediaに詳しいこちら

恋人の宮里は、“原発ジプシー”と呼ばれる、
原発の定期検査をする仕事で、現在はヤクザの手先。

そして、ワルサが過ぎて、修学旅行に連れて行ってもらえなかった、
中学生3人組がからむ。

ある日バーバラと教師の野呂は福井に旅行に出かける。
そこでバーバラは昔馴染みの娼婦アイコと出会う。

足抜けを図ったためにヤクザに追われているアイコ。
彼女には原発で働く安次という恋人がいたが、死んだという。

バーバラと野呂は安次の墓参りに出かけるが、
安次は生きていることを知る。

安次は原発事故で放射能を浴び、
事件の詳細をしっていることがばれるのを恐れて、
死んだふりをしていたらしい。

アイコと安次は、
「じゃぱゆきさん」マリアとともに逃亡をはかるが、
暴力団に見つかり、殺されてしまう。

その殺人事件の罪を着せられそうになったのが宮里。
彼はヤクザを射殺した後、
すべてを知って殺されそうになっているマリアを密航させようと考えるのだが・・・

今ではほとんど語られることのなくなったコザ暴動。
昔ほど語られることがなくなった「じゃぱゆきさん」。
3.11以降安全神話が完全に崩れ去った原発と、
そこで働く原発ジプシー。

軽いタッチの森崎演出だが、
これらの問題が観るものの胸を突く。
多分、公開されたときよりも、
現在のほうがこのメッセージはより深刻なはずだ。

ジャンルわけすると“コメディ”だろう。
でもこれは、深く重い“ブラックコメディ”だ。
時代を先取りしている?
いや、未来をえぐりぬいている。

倍賞美津子熱演。
原田芳雄、ダメ教師の平田満もいい味出してます。

ラストはこんな台詞で終わります。
「あふれる情熱、みなぎる若さ、協同一致団結、ファイト!」
「じゃぱゆきさん」マリアが逞しい。
未見の方はぜひ!


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