『海燕ジョーの奇跡』
1984年度(日) 藤田敏八監督作品
1980年に佐木隆三が発表した小説の映画化。
藤田敏八監督による逃亡サスペンスです。
沖縄で起こった暴力団の抗争で、
一人のヒットマン、「ジョー」が相手の組長を射殺し、
元、学生運動革命思想家の男の手を借りて、
フィリピンへ逃走する。
前半は、南国の海の景色をPRするための映画なのかと思わせるくらい、
のんびりしていて、これといって強力な追手もあらわれないので、
さすがの敏八映画も、生ぬるくなったなと正直感じたが、
いよいよフィリピンに到着して、謎の男「与那嶺」とジョーが合流するあたりから、
少しは持ち直す。
ジョーはフィリピンで、
すっかり落ちぶれた実父に会いに行ったりする。
恋人の陽子もフィリピンにやってきて、
ジョーや与那嶺と合流する。
フィリピン市街の描写が生々しく、
その点では少し興味がわくけれども、
今ひとつ乗り切れない。
ジョーを演じる時任三郎が、いつも汗をかいていて、
何者かに追われている様子を大熱演しているのだが、
肝心の追手の描写が具体的でないためしまらない。
クライマックスの銃撃戦や、
ラストの障害突破場面などが一応盛り上がるので、
なんとか持ちこたえている。
敏八作品としても、
過去の作品ほど辛らつではなく、
平凡な出来に終わってしまったのは残念。
大好きだった藤谷美和子が出ていたんですけどね。
にほんブログ
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