『毒薬と老嬢』 原題:Arsenic and Old lace
1944年度(米) フランク・キャプラ監督作品
「或る夜の出来事」や「スミス都に行く」などの作品群で、
アメリカンヒューマニズムをたからかにうたいあげてきた、
フランク・キャプラ監督にしては異色とも言える、
ブラックコメディです。
ある年のハロウィンの日。
結婚を否定した作品を執筆している作家ケーリーグラントが、
となりの教会の牧師の娘と結婚することになる。
その結婚の報告をしに、
グラントはブルックリンに住む
叔母姉妹の家に報告に行く。
叔母姉妹は優しそうな雰囲気で、
グラントの結婚を喜んでくれる。
歓迎を受けたグラントが一息ついて、
窓の下にあるソファーに腰をかけ、
ふと、ソファーの中を覗いてみると、
なんと見知らぬ老紳士の死体が入っていた。
グラントは二人を問い詰めると、
身よりもなく寂しそうだったから、
ワインに毒を入れて殺したのだという。
そして驚いたことに、
ほかにも12体の死体が地下室に埋められているというのだ。
話を聞いたグラントはっびっくり仰天。
新妻と約束していたナイアガラへの新婚旅行どころではなくなってしまった。
そうこうしているうちに、
フランケンシュタインのように顔を整形した兄が、
死体を始末しに、この家にやって来る。
どうやら、この兄も12人殺しているとのこと。
それ以外にもいろいろな訪問客がやってきて、
大騒動となっていく。
キャプラ監督は、もともとギャグライターだったこともあり、
ギャグのツボは外していないし、
思わず笑ってしまうシーンが多々ありました。
が、土台が精神疾患を主題とした笑いなので、
ちょっと複雑な気持ちになったのも事実でした。
グラントのコメディ演技は見ものだし、
お話の展開も舞台的でスピーディー。
ちょっと泥臭い場面もありますが、
・・・
あんまり深く考えちゃダメですね。
コメディですし。
・・・の部分は、ご覧いただければ意味がわかると思います。
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