『レベッカ』 原題:Rebecca
1940年度(米) アルフレッド・ヒッチコック監督作品。
平成25年、皆様あけましておめでとうございます。
本年も気ままな拙ブログにお付き合いのほど、よろしくお願いします。
さて、本年第一作目に紹介させていただくのは、
ヒッチコックがイギリスからアメリカに移って作り上げた第一作、
「レベッカ」
です。
僕のヒッチコック作品BEST1は、実はこの作品なんです。
上映時間130分と、ヒッチコック作品の中では長尺の部類に入ると思うのですが、
オープニングからエンディングまで、全くだれた演出がない。
観客はラストまで「わたし」と同じ不安をずっと持ち続けることになるのです。
オープニング、
「マンダレーには戻れない。
もう二度とだが時々夢の中で私の人生の中で、
奇妙だった南仏での日々に戻る」
と、「わたし」のモノローグからこの作品は始まります。
モンテカルロのホテルで「わたし」は、
大金持ちのマキシムと知り合い、結婚して彼の大邸宅に移り住む。
マキシムは1年前に妻をヨット事故で亡くしており、
「わたし」は後妻であった。
いままで富豪婦人の付き人として生活してきた「わたし」は、
今までと全く違う環境に戸惑っていたが、
なんとか環境に馴染んでいこうと精一杯の努力をする。
しかし、前妻レベッカの召使であったダンバース婦人だけは、
「わたし」に対して冷たい視線を投げかていた。
そして、じわじわと心理的に「わたし」を追い詰めていく。
怖いです。
画面には一切出てこないレベッカ。
彼女の幻影が強烈。
マキシムの大邸宅で舞踏会を開催することになるんですけど、
このシーンでのダンバース婦人の企みが、
実に巧妙で陰湿。
名シーンです。
マキシムもまだ、レベッカに対する想いを断ち切れていないのか、
時々、感情的になり「わたし」に辛くあたる。
次第に少しずつ「わたし」は不信感が芽生えていく。
「私はレベッカの代わりではないのか」
物語は後半になるに従って、
今度はレベッカの死に対する、謎解きサスペンスになっていく。
そして、アッと驚くラストシーンへと畳み込んでいくヒッチコックの演出は、
まさに名人芸。
素晴らしいです。
この作品、1940年度アカデミー作品賞、撮影賞を受賞してます。
幽幻的なカメラに受賞も納得です。
最初に書きましたが、
この作品が、僕のヒッチコック作品のBEST1です。
未見の方は、ぜひご覧ください。
古い作品だからって、敬遠したら絶対損!
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