クヒオ大佐 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


あの時の映画日記

クヒオ大佐』 2009年(日)
吉田大八監督作品

皆様は「半沢直樹」ご覧になられてましたか?
僕は、普段TVドラマは観ないのですが、
この作品は運良く(珍しく)初回から最終回まで通しで観ました。

やりすぎといってもいいほどのあざとい演出で苦笑を誘われながらも、
主演の堺雅人の好演で、結構楽しんで観ることができました。

その堺雅人が、
父がカメハメハ大王の末裔、
母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ、
職業は米空軍特殊部隊パイロット、
その名をジョナサン・エリザベス・クヒオと名乗り
1億円の結婚詐欺を行った、実在の人物をモデルにした、
この作品に主演しています。

ありもしない設定も、自信たっぷりに語られると、
かえって疑われないのですね。
観客である私たちは「んな、アホな」というような言葉にも、
恋に盲目になっている、というよりは人間関係に枯れている女性の心には、
スーッと染み込んでいくのでしょう。

いきなり訪ねてきて、突然腕立て伏せをはじめる。
もちろん映画向けの脚色でしょうけど、
普通バカですよ^^
これも堺雅人がやると説得力がでてくるから大したものだ。

ターゲットにした女性に軍事関係の知識をつけさせるために、
「沈黙の艦隊」という、漫画を読ませたりする。

そんなクヒオ大佐も、男の本音を嫌になるほど見てきていた、
銀座のホステスには、はったりが通用しない。
いろんな人間と接するのは大事になことなのだ。

後半、クヒオの幼少の頃がフラッシュバックのように描かれる。
彼は叫ぶ。
「騙したんじゃない、彼女がして欲しいと思ったことをしてあげただけだ!」
人間関係が希薄になっていくこの頃。
やりかたこそ変われど、クヒオ大佐のよな人間は幾度も現れるだろう。

満島ひかりや安藤サクラも出演しているが、
やっぱり、本当にクヒオに惚れてしまった松雪泰子の演技が、
切ないコメディエンヌとして、抜群。
堺雅人の演技は安心して見ていられる。
松雪の弟にあっさり嘘がバレてしまうシーンは、この映画の最優秀シーンだ。

ありえない話と笑いながら、
「日本は金だけ出して血を流さない」
という皮肉がチクリときいて、物語は幕を引く・・・

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