『シェルブールの雨傘』 原題Les Parapluies de Cherbourg
1964年度(仏)ジャック・ドミー監督
今年度最初の映画レビューは、やっぱり大好きな作品から。
すべての台詞にすべてメロディーがつけられた、完全なミュージカル。
悲恋物語なんですけど湿っぽくなく、それでいて画面の隅々に感情がこみ上げてくる
素晴らしいカメラ。
開巻の雨の街、傘が次々と開く風景を真上から撮るカット、
そこからもう物語に引き込まれます。
1957年から1959年までの物語。
20歳の男と17歳の女の子の恋物語。
最初は恋に恋している感じの二人が、
男の徴兵を境に別々の道を歩んでいく。
若い頃には感じることのなかった生きることの重さ。
2年の年月を経て、ふたりは大人になっていく。
女の子ジュヌヴィエーヴを演じるカトリーヌ・ドヌーブが魅力的。
歌は吹き替えなんですが、違和感は全くありません。
ラストシーンも映画史に残る名場面。
降り積もる雪が、観ているものを更に切なくさせます。
それから、フランス語ってやっぱり素敵ですね。
悔しいけど、日本語じゃ成り立ちません。
英語でもこの世界は壊れてしまうでしょう。
オススメです。
できるだけ大きな画面でお楽しみください!