天皇パチンコ事件や、天皇ピンクチラシ事件で騒動を起こした、
自称戦争犯罪追求人「奥崎謙三」に密着し、過去のニューギニア戦線で起こった二つの事件を執拗に追及していくというものです。
1987年度(日)
原一男監督作品。
『ゆきゆきて神軍』
開巻は結婚式のシーン。
仲人の奥崎が、新郎新婦に対するスピーチの中で自分の前科を誇らしげに語り、また新郎の前科まで朗々と語っていきます。結婚式での来賓は戸惑ったような気まずい雰囲気が流れる。
奥崎は自分が刑務所の独房に入っていた時の体験を書に記すために、刑務所のサイズを測りに街宣車に乗って刑務所を訪れる。
が、そんなことが認められるわけもなく警官たちにうながされて帰される。
その時の警官を罵倒する奥崎の言葉がひどい。
やがて彼は、自らも参戦したニューギニア戦線で行われたという、
「上官による部下射殺事件」と「兵隊同士の食人事件」について、過去の上官を執拗に追及し、
時に激昂して、暴力に訴えたりする。
戦中の記憶を忌まわしい過去として封殺したいかつての戦友や上官に対して、奥崎は自らを正義と信じそれらの行動を演じている・・・(と私には見えてしまった)
この作品が公開された後の奥崎謙三の晩年は実に惨めなもの。
若い方はWikiで奥崎謙三 を知ってもらってから観てもらうのがいいかもしれません。
それを知った今、この作品を観ると本当に意地の悪いブラック・コメディに思えてきます。
奥崎が正義とはどうしても思えません。
が、本人は正義だと信じているようです、というより自分の行動に酔っているようです。
が、観てない方は観るべし。
それなりに、ショッキングな作品です。
がちゃん。
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