私は、「灰とダイヤモンド」(1957年)の巨匠である、この人が真っ先に頭に浮かびます。
1990年度(ポーランド)
アンジェイ・ワイダ監督作品。
『コルチャック先生』
この映画は涙が止まりませんでした。
ナチスのユダヤ人迫害による、悲劇を描いた作品ですが、実話が元になっています。
コルチャック医師は、ユダヤ人の小児科医であり、孤児院の院長。
多くの子供たちの面倒をみて、それに誇りと生きがいを感じていた。
そして、彼も皆から慕われていた。
ユダヤ人の子供の服は洗濯しないという、洗濯係に代わって自ら洗濯をしたりする。
が、時代は1940年。
ナチスによるユダヤ人への迫害が始まっていた。
ユダヤ人は、ポーランド社会から切り離され、ゲットーに次々と送られていく。
もちろん、コルチャック先生の孤児院も例外ではなかった。
が、コルチャック先生は頑として抵抗し、ユダヤ人の腕章をつけるのもかたくなに拒否した。
子供たちのために食料を供給するために、密輸業者ともかかわり投獄されたりする。
そして、ナチスによるユダヤ人強制収容所送りが始まる。
コルチャック先生は政治的手段を用いて、収容所送りを逃れることが出来たのだが、
200余名の子供たちをおいて、自分だけ逃げ出すわけには行かない。
自ら、子供たちと共に収容所行きの貨車に乗り込むコルチャック先生。
それは、子供たちと共に死ぬことを意味する。
野原に放置された一輌の貨車から、みんな天使のような白い衣装で天にのぼっていく・・・
衝撃と共に素晴らしい感動を味わいましたね。
みんなに観ていただきたい映画です。
がちゃん。
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