博士の異常な愛情 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

あの時の映画日記-博士の異常な愛情

1963年度(米)スタンリー・キューブリック監督

『博士の異常な愛情』(正式なタイトルは、博士の異常な愛情 又は私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか)

キューブリック監督の、究極のブラックコメディ。


飲用水の中に薬物を使って、共産圏の国が自国を弱体化させて、攻撃してくるという妄想にかられてついに発狂した米空軍司令官の命令で数機の爆撃機がソ連に出撃する。


一方、ソ連軍には爆撃に対して自動的に起動する核ミサイルが装備していた。(世界皆殺し爆弾と訳されてたと思う)


英国将校の必死の努力で、出撃した爆撃機を帰還させるが、一機だけは連絡が行き届かず爆撃地に向かう。


そして、その戦闘機に乗っているコング大佐は、水爆に馬乗りになり・・・


あの時の映画日記-博士の異常な愛情


とにかく登場人物がみんな変。

中でも、一人3役を演じているピーターセラーズがすごい。

”ストレンジラブ・博士””アメリカ大統領””英国将校”

見事に演じ分けています。


J・Cスコットの狂信的な軍人、水爆に馬乗りになるコング大佐。なかなかうまく意思疎通ができない米ソのホットライン。コカコーラの自動販売機でのドタバタ劇。


あの時の映画日記-博士の異常な愛情


そして美しく爆破される地球にかぶさるジャネット・リンの「また会いましょう」の歌声・・・


あの時の映画日記-博士の異常な愛情


ストレンジラブ博士が、不自由な身体をもちながら、「ハイル・ヒトラー」の号令には反応してしまうところ・・・

全編、これめちゃくちゃ。でもキューブリックを語る上では決して見逃すことはできません。


余談ですが、この映画はデヴィット・ボウイ主演の「地球に落ちてきた男」との併映でみましたが、こちらの印象はかなり薄くなってしまいました。

とにかく「博士の異常な愛情」見てください。笑った後に、背筋が寒くなる感じです。

時代が進むにつれてさらに輝きを増すキューブリック作品。

是非、御覧下さい。


がちゃん




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