この映画も、我々世代にとっては忘れられない一本。
1976年度、ジョンG・アヴィルドセン監督、シルベスター・スタローン脚本・主演
『ロッキー』
ストーリーはご存知の通りすこぶる単純で、人はいいが貧乏で、借金取りの仕事を副業としているロッキー(シルベスター・スタローン)が、ふとした偶然から世界チャンピオン、アポロの対戦相手に選ばれ絶対に勝てない相手と知りながら、周囲の人たちの応援や恋人の愛情にささえられぼろぼろになりながらも15ラウンドを戦い抜く。
このストーリーを骨子に、内気で純情な女性「エイドリアン」との愛を育んでいき、エイドリアンの兄でぐうたらの「ポーリー」の世話を焼き、優しくも、厳しいトレーナー「ミッキー」の厳しいトレーニングを積んでいく。
映画を盛り上げるのは、ご存知ビル・コンティの音楽。トレーニングを開始するシーンのロッキーのテーマはもちろんのこと、まだ、暗い夜明けをロッキーがロードワークに出かけるシーンにかぶさる”フィラデルフィアの夜明け”
感動のラストのあと、エンドロールにかぶさる”ロッキーの報酬”・・・すばらしいですね。
印象に残るシーンももりだくさん。
ファーストシーンの場末のリングでの試合の猥雑さ。
エイドリアンの気を惹こうと毎日のようにペットショップに通うロッキー。
不良グループの中から一人の少女を連れ戻しいけないことを諭すロッキーを逆に罵倒する少女。
スケート場でのエイドリアンとの始めてのデート。
ポーリーの理不尽な行動に怒りを示しながらも、理解して許してやるロッキー。
そして、対立していたトレーナーのミッキーと和解する場面・・・
これらの場面が、静かなトーンで綴られていき壮絶なクライマックスの試合のシーン、そして感動のラスト・・・
おとぎ話と判っていながら直球で心を打ち抜かれてしまいました。
少し寂しげな小雪の舞うフィラデルフィアの街。電車の走る音。試合の前日の会場。これらの情景描写も好きです。
でも、この映画続編が次々と作られましたが、だんだんマンガみたいになっていって感動とは程遠くなっていきました。
そして、30年くらいたってから「ロッキー・ファイナル」が製作されて、ロッキーの思い出めぐりができました。
主要キャストの中で残ったのは、ぐうたらの兄「ポーリー」だけ。
でも、一作目のファーストシーンで対戦した相手「スパイダー」と同じくロッキーを罵倒した少女がファイナルで登場したのだけは感慨無量になりました。
これで、本当にファイナルになる事を祈ります。まさか、「ロッキーファイナル2」なんかできないでしょうね。
がちゃん