1956年度、スタンリー・キューブリック監督の名前を一躍有名にしたこの作品。
『現金に体を張れ』。
刑務所帰りの男が、綿密な計算によって仲間とともに競馬場の売上金強奪を図る。
分刻みのスケジュールの元、計画は粛々と実行される。
注目のレースで、馬群がいっせいにホームストレッチに入ったところを、待ち受けていた射撃の名手がライフルをねらいすまし、先頭の馬を打ち倒し、競馬場全体が騒然となる中、その混乱に乗じて馬券売り場に侵入して売上金を強奪する計画。
ライフルの名手が、射撃に都合のよい場所を選んでいるところに、親切な駐車場の係員がいろいろと世話を焼いてくれる。
係員は、完全な善意からの行為であったが、いちいち世話を焼かれては困るこのスナイパーは、わざと邪険な言葉を吐き、この係員を追い払う。
ここでの些細なやりとりが、完全な計画を少しずつ狂わせていく。
このへんが上手い!
別のギャングがこの強奪金をくすねようとするエピソードなどをはさみながら、物語はドキュメンタリータッチで進んでいく・・・・
手に汗握るドキュメンタリータッチとは、まさにこの映画のこと。
ロマンティシズムを一切排除し、徹底的にハードボイルドで展開するテンポはお見事。
スピーディな動きを切り取るカメラの見事さ。
スターリング・ヘイドンの演じるギャングのボスの貫禄!
そしてラスト。
不要な説明を一切排除し、画面だけで見せてくれる鮮やかさ。
素晴らしいです!すごいです!
やっぱり、キューブリックは偉大です!
オススメ二重マルですよ^^
がちゃん
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