奇談新刊ですよ~。待ちに待った奇談ですよ~。
も~、長かった。首を長くしすぎてかの妖怪になっちゃいそうなくらいです。
精霊の血を継ぐ少年・琴平敏生と、売れっ子作家にして追儺師の天本森は、
霊障を祓うために各地に赴きながらも、平穏な日々を送っていた。ある日、
「君への贈り物だ」と天本が敏生に差し出したのは、先日亡くなった敏生の
絵の師匠・高津園子のスケッチブック。そこには、園子が生前に果たせ
なかった、ある願いが託されていた。ふたりは九州の天草を目指し、少女と
出会うのだが……。大人気シリーズ、待望の最新作!
↑背表紙あらすじより↑
奇談をご存じないという方にちょっと説明しますと。
妖魔や霊を祓うのをお仕事にしていて、作家もしている天本は、ある日、自分の家のそばで倒れている少年を拾います。それが敏生です。
過去起きた事件で負った心の傷をずっと引きずっていた天本は、この敏生の存在に癒され、半精霊である敏生もその恵まれなかった寂しい生い立ちから一転、天本やその周囲の人たちと幸せに暮らしています。
が、そこには問題がないわけではなく、追儺師の仕事は危険がつきもの。いろいろ危険な目に遭いもするし、事件を起こす霊や妖魔たちの抱えた悲しい想いにも触れたりします。そんな悲しい存在となった霊や妖魔に対してまで優しい敏生が、ただ祓うのではなく、昇華させていく……ハートウォーミングなお話です。
追儺師として立ち向かういろいろな事件をベースにしてテンポよく進んでいくストーリーの面白さがたまりませんが、なんといっても読みどころはキャラの良さでしょうか。
とても素直で優しい、食いしん坊で元気な敏生。
暗い過去を背負い、アンニュイな雰囲気を漂わせながらも、巻が進むごとに敏生に対する甘甘度が増していくところがたまらない、クールビューティー完璧男な天本。
天本の式神で、主のためならっ!の忠義もの・小一郎。敏生にツンケンしていたのに、今では敏生にとって大事な兄弟分のような存在です。
天本の親友で頼りがいがある龍村。彼は「鬼籍通覧」シリーズでもおなじみですね。
そして、「妖魔なオレ様と下僕な僕」でもお馴染み・司野と正路。
この他にもいろいろなキャラが出てきて話を盛り上げてくれています。
個性豊かなキャラたちが、徐々にお互いを助け合い、チームとなっていく感じが私のツボです~。
ハートウォーミングで、追儺師もの、キャラが個性豊かで、家族になっていくお話好きな方は是非。
あ、美味しそうな食べ物が出てくるので、食べ物ものがお好きな方にもおススメです。
さて、今回のお話は、敏生の尊敬する師匠・園子が亡くなり、彼女から託されたある願いを叶えるために九州に向かいます。
うぉ、そういえばこのシリーズは旅行ものでもあるのです。毎回ではありませんが、仕事で旅立つこと多し。そういうお話がお好きな方も是非。
今回の旅先は熊本・天草。
園子の最期の願いを叶えるため、とある人物を探すことになるのですが……。
読みどころは園子と敏生の師弟愛。
お互いがお互いを大切に想っていたことがいたるところに出てきて、ジーンときました。
また、敏生が追儺師として、また、画家として成長を見せるところも読みどころ。天本の助手という立場から一歩踏み出し、最大の敵・天本の父との対決に向け、徐々に力を蓄えている感じがして頼もしいです。
もちろん天本との甘甘関係は続行中。色気はないですが、盤石な愛情関係に安心してお話を読み進められます。
今回は司野と正路は出てきますが、残念なことに龍村先生は出てきません~。
「鬼籍通覧」にもあるとおり、本業は監察医ですからね~。そちらのお仕事に戻ってしまったそうです。
今後の登場に期待!です。
とにかく長いシリーズで、今から読む方はその巻の多さにひるんでしまうとは思いますが、ティーンズノベルなので読みやすい! 私、一気読みでした。
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