朝のブログでも書きましたが、この作品の前作、前々作の感想を書いてないのです……。
しまった。大好きなシリーズなのですよ~。
時代ものテイストのお好きな方、娼妓ものがお好きな方は是非~。
でも、娼妓ものといっても受がほわわんとしていて、ちょいおバカで可愛い。淫靡系ではないので、そういうのが苦手な方も是非~。
シリーズ1作目の感想は↓からどうぞ~。
http://ameblo.jp/hal-405/entry-10086968118.html
とりあえず、前作とかのことはまた後日ってことで、とりあえず新作感想スタート!!


  いつも一生懸命な豆は、高級男娼楼「幻月」の元娼妓。今は嵐のような男前

  長官・紅塵に身請けされ蜜月中ドキドキ…のはずが、街の治安を守る男は

  超多忙。なかなか逢えないし寂しい毎日を過ごしている。そんな時突然

  豆の耳に  紅塵と元恋人の結婚話が飛び込んできた!!

  不安に揺れる豆だったが、揶揄しながらも手前が愛おしくてたまらないと

  胸の内を語った紅塵の想いに安堵する。しかしさらなる危機が二人に

  迫ってきて!? 書き下ろし&4コマ入りドキドキ


↑背表紙あらすじより↑


以下ネタばれありな感想です。ご注意くださいませ。


ほわわんとしていながらも常に一生懸命な豆、すごく可愛い子で、紅塵が可愛がるのもよく分かる! めちゃめちゃ2人を私は応援しているのですが、実際彼らの周囲にいる人たちはそうもいかない。

問題はやはり彼らの身分差――元男娼と貴族ってことと、男同士ってこと。

紅塵本人は何の不満もないのですが、読者としてはこのままなはずはないと思っていたはず。以前の作品でも前フリがありましたしね。

そう、今回は、貴族である紅塵の元に舞い込む結婚話と、それに思い悩む豆、そして、その結婚絡みで事件に巻き込まれて……という、ちょっとシリアスなお話です。

元男娼でそんなに容姿が優れているわけではない豆は、紅塵が見請けしてくれた後もずっと自分でいいのかと思い悩んできました。そして、何もできない自分のままじゃいけないと、仕事をみつけて頑張ったり。

そんな中で現れた、紅塵と結婚するかもしれない相手。

紅塵の元恋人で美人、おまけに良い家柄の人で、彼女と結婚したら紅塵は出世間違いなし!

紅塵の幸せを考えたら……と、豆は思い悩みます。どんどん心の内に溢れてくる、嫉妬心とか大好きな相手を手に入れるためにはどんな手段でも……という恋の醜い部分に悩みます。

作品内で身勝手な人間が描かれる中、豆が選ぶ道は豆らしい優しいものでほっとしました。そして、そのために頑張る豆が、弱いながらも頑張っていて可愛い。

読みどころです。


また、もう一つの大きな読みどころはやはり紅塵。

「業火の長官」なんて呼ばれてますが、豆のことになると不安だらけになったり苦悩したり。

また、豆の危険の前には「業火の長官」の名らしい鬼気迫る怖さで問題に立ち向かう様にメロメロになってしまいました。

出世のことよりも何よりも豆が大事、その大事なものを自分のもとにずっととどめて大切にしたい――その想いを有言実行で叶えていく男らしい男です。ステキ~。

そんな普段は頼り甲斐のある男前さんが、豆のことで拗ねたりするところもかなりツボ。

受に対してだけ心が揺れる男、良いですよね~。


さて、こんなに想われている豆が、相手の幸せと自分の想いについて悩むってのが今作のテーマですが、この結末があってこその、この前読んだ「小説b-Boy」のSSだったのだなぁと思いました。

いや、あのお話を読んだとき、2人の間の空気が今作より前に比べてしっとりしてるなぁと思ったのです。

そうか、こういう苦い道を乗り越えてのものだったのか。


2人の愛が深まった、大きな事件が描かれた今作、シリーズファンは必読ですね~。


さて、ちょいシリアステイストな表題作の他に、ラブラブな短編も収められています。表題作のその後のお話です。攻視点好きな私にはたまらない、紅塵視点のお話です。満足ドキドキ


待ちに待った甲斐のある、読み応えたっぷりの本でした。



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