藤井沢商店街シリーズ完結です~。


  都心での修行を終え、しぶしぶ実家を継ぐため帰省した美容師の

  晴輝。そこで再会したのは、ずっと疎遠だった幼なじみで親友の圭治。

  海洋学を学ぶため街を出た:圭治は、家業を継いでなぜか理髪師に

  なっていた!! 「お前はこの街にいればいい」 幼い頃のまま世話を

  焼いてくる圭治だけど、晴輝はその真意が掴めずに!? 

  近すぎて、その視線の熱さに気づけずにいた……藤井沢商店街

  シリーズ完結!!


↑背表紙あらすじより↑


シリーズとはいいつつも、それぞれのお話の主人公は違いますので、どれから手に取ってもオッケー。

が!!!

この「理髪師の~」はシリーズキャラがオール出演のシリーズファンにはたまらない一冊。これを読んで気になるキャラのお話を手に取るっていうのも未読の方には一つの手かも。


さて、このお話は幼なじみの同級生のお話です。

しぶしぶふるさとに帰ってきた美容師の晴輝が、中途半端な自分のポジションに揺らぎを感じています。美容師として活躍するには、都心から離れてもなぁ……と。

そんな中、幼なじみの圭治がなぜか理容師として実家に戻ってきているのですが、何でもこなす優等生だった圭治は理容師の仕事で評価を得ていて、いつも彼と比べられていた晴輝は面白くない。

中途半端な自分に思い悩む中、姉と圭治が怪しげな雰囲気だったり、晴輝にとってのアイドルとの仲をお膳立てしてくる圭治の思惑を勘ぐったりと、晴輝、大忙しです。

無口でできる君な圭治の胸の内ってところが謎で読みどころです。


さて、この本には2作収められているのですが、2作目はこの謎多き圭治視点で描かれています。

攻視点もの好きな私にはたまりません。

おまけに、意外と圭治がナイーブで小心者でヘタレで、1作目と違う視点で読めて楽しいです。

コミカルなところもあるのですが、読後感は「切ない」の一言。

いろいろと考え過ぎて諦めすぎて、遠回り遠回りしちゃう圭治の気持ち、よく分かります……。

そんな彼の恋がどういう結末を迎えるのかが読みどころです~。


お気に入りは商店街のお祭りシーン。私の好きな作品のキャラが出てきて、かなり嬉しい! 祭りの様子も楽しそうで良いですし。

が、そういう活気があって人情味のある「藤井沢商店街」ですが、デメリットな部分もあり、そこが描かれることによって夢物語で終わらないのがリアルで良いです。

ラストの巻ということで、どういう終わり方になるのかとは思ったのですが、「こう来たかぁ」と唸りました。


それぞれのカップルたちが、いろいろと思い悩みながらも、一番大切なものを手にして生きていく……ハッピーなお話ですが、切なさも秘められたシリーズラストの巻でした。


追記:

バタバタと感想を書いたので、ちょい補足。


この作品、タイトルがステキですよね。

この「お気に入り」がツボでした! フェチ……。確かに可愛いかもしれません。

が、可愛いのは攻だ!と力強く言いたい! 無口でできる君なのに、胸の内ではドキドキグズグズして、ただひたすら切ない恋を抱き続けてる臆病なところが、可哀そうやら可愛いやら。

「セロハンテープ」や「ガムテープ」が必要なくらい心を痛めながらも、そういう自分でしかいれない自分を受け止めて生きていく切なさがたまらないお話でした。




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