崎谷先生の作品を読み始めたかなり始めの頃、「その指さえも」を読みました。
その時からすご~く気になっていたキャラがメインのお話です。


  舞台役者志望の大学生湯田直海は、ある夜、地上げ屋に暴行を

  受けアパートを追い出され、ゴミステーションで倒れていたところを

  居酒屋「韋駄天」の店長・宮本元に拾われる。住む場所を失った直海は

  「韋駄天」で居候することに。片意地を張り続けた自分を甘えさせて

  くれる宮本に次第に惹かれる直海。しかし宮本は飄々として

  掴みどころがなく……!?


↑背表紙あらすじより↑


以下ネタばれあり。ご注意ください。


「その指さえも」を読み返してなかったので、イマイチ細かい内容を覚えていないのですが、直海は宮本にラブドキドキってところまでしか書かれてませんよね。

今作で直海がどういう風に宮本に惹かれたのかが明らかに!

「その指さえも」で出てくる場面と同じシーンが描かれているので、比べて読むと楽しそう……そのうち再読します。

あ、でも、読んでなくても全然オッケーですよ~。


さて、本作は、舞台俳優になりたい直海が生活面や演劇面で苦い思いをしている時に、偶然出会った宮本に救われ、恋に落ちていくというお話です。

15歳くらい年上の宮本の包容力とか優しさとか飄々としているところがステキ~と思いつつ読んでいましたが、彼には何やら過去にあったらしく……そこが読みどころのひとつでしょうか。

そんな彼のことを好きになった直海ですが、宮本は直海をのらりくらりとかわしてます。

崎谷作品の歳の差カップルの年上さんは困った人が多いですね。そんな中でも彼はかなり困ったさん度数の高い大人です。そんな彼を年下が頑張ってゲットしようとします。宮本は落ちるのか、どういう風に落とされるのかが読みどころです。


そして!

変貌した宮本にビックリ~。

だらしなくていつも何かから逃げてる男がふっきれたらこうも変わるか!? と読んでいてかなり衝撃を受けました。そこが私的には一番の読みどころでした。


それ以外では俳優として成長する直海の姿にも注目です。

なかなか報われない恋の辛さが俳優としての直海の糧になっていくところなど、サクセスものとしても読めるのが魅力です。

また、崎谷作品の中でお馴染みの「ラジオゾンデ」の内情が詳しく分かるのが嬉しい~。オーディションの様子がかなりツボでした。馴染みのない世界なのですごく興味深かったです。

演劇仲間が濃いキャラなのも良いです。


他作に出てくるキャラが出てくるところもツボでした。リンク作品好きですから、私!

「その指さえも」のキャラや、「絵になる大人になれなくても」の井原が登場します。

あ、井原視点のSSもこの本には収められています。本作では直海がジタバタしてる感じですが、このSSの直海は人の関係をも見透かしている大人って感じで、宮本との付き合いで大人になったんだなぁと可哀そうになりました……あれが相手じゃ、直海が大人にならなきゃダメか。


と、読みどころやらお楽しみがたくさんあるお得な一冊です。ファンにはたまらない作品でした!


大人は愛を語れない (幻冬舎ルチル文庫 さ 2-15)/崎谷 はるひ
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