先日のブログでチラリと英国貴族ものと書きましたが……お祖父さんが「騎士(ナイト)」の叙勲を受けてるってだけで、ナイトは現行のイギリスの法上では貴族ではなく、おまけに世襲できないので、貴族ものとは言えないんですね。失礼しました。さっき気がつきました。(↑の内容、一応ウィキでチェック済み)
ということで、英国紳士ものってことで!


  天涯孤独の水瀬祐は映画関係の仕事に就くことを夢見る専門学生。

  ある日、バイト先の紹介で世界的に有名な映画監督の孫であるサイモン・

  ロイドの通訳をすることになる。ところがサイモンは、初対面から祐に

  きつい命令口調で無理難題を押しつける横暴な雇い主だった。

  それでも必死で頑張る祐だったが、ふとしたことからサイモンに侮辱

  され、思わず「大嫌い」と叫んでしまう。そんな祐に突然サイモンが

  キスしてきて……!? 何よりも甘い命令口調の唇で囁くこの恋――。


↑背表紙あらすじより↑


以下ネタばれあり。ご注意くださいませ。


このサイモン・ロイドなる人物、「捕獲者 ロッセリーニ家の息子」に出てくる人物です。で、「捕獲者」の舞台となるホテルや主人公の成宮も出てくるリンク作品となっています。

けれど、「ロッセリーニ家の息子」を読んでなくても全然オッケーですよ!


この作品の気に入ってるところ。

サイモンがヤなヤツでいいんですよ~。気難しく、イヤミいいまくりな気品あるオレ様って感じ。

祐にもイヤミいいまくり(まぁ、正論なんですが)。そんなサイモンに、祐はムッカーとしているのですが、イヤミなこと言いながらもその心の内では祐のことを気遣ってるってのがちらりちらりと見えるのがいいんですよね~。

そんなイヤミ男・サイモンに祐がどう恋に堕ちていくかが読みどころです。

そして、ひねくれ者がどう口説くのかもお楽しみ!です~。


また、祐が貧乏ってのもお気に入りな点。貧乏ながらもきちんとした生活を送ってるってのが魅力的です。朝ご飯をきちんと作って食べる男子……萌えます。私の萌えどころって一体……。

映画関係の仕事がしたいと思っているけれど、実際どの分野に進もうか悩んでいる祐がどういう道を選ぶのかという、成長ものとしても楽しめます。

映画関係の仕事がしたいと思ったきっかけの出来事が、後々作品の重要な鍵となっていくのも面白いです。


あらすじには書かれてませんが、サイモンと祐には通訳と雇い主ってだけじゃなく、実は「あしながおじさん」な関係があるというのが作品の最初の頃に書かれています。

それを知らない祐にどうバレるのかとか、実はサイモンを話せるというのことがどの段階で明かされるのかとか、かなり気になりながら読み進めました。ここも読みどころですよね~。

サイモンが日本語を話せることを知らない祐が、サイモンの前で彼の印象を語るシーンがツボでした。

それに対するサイモンの反応が……ププッ。

その時のことを根に持ってるサイモンが可愛くて、これまたツボでした。


映画配給のお話っていうのもツボでした。

鳩村衣杏先生の「映画館で逢いましょう」や「傍若無人なラブリー」でこの業界ものを読んで、かなり興味を持っていたので。

ロイド作品にそんなに興味がなかった祐が、ロイド作品に惹かれ、ロイドファンのためにも日本での配給やDVD化のために奮闘する姿が良いです~。仕事もの好きな方にお勧めです。


脇キャラもいいです。サイモンの秘書のクリスがご主人様であるサイモンに結構ズバッというところがツボでした。


と、かなりいろんなツボを突かれた作品でした!




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