遅ればせながら、鳩村先生の新刊読みました。


  硬質な美貌の医師・雨宮嶺一郎は、画家を志していた恋人を亡くして

  から、心を閉ざして生きていた。そんな嶺一郎に精悍な風貌の日本画家・

  陣ノ内閑がモデルを依頼してくる。繊細な絵からは想像できないほど

  傲慢な陣ノ内。強引な抱擁と共に口説かれた嶺一郎は、男の包容力と

  強さを見せつけられ心を乱される。だが恋人の死の原因が自分に

  あったのではないかという疑念に苛まれていた嶺一郎は、陣ノ内に

  惹かれる己の想いに苦しみ、彼を拒絶してしまい……


↑背表紙あらすじより↑


以前シャレードで掲載されていたものだそうです。

クールビューティーなお医者さんと、ハーフの日本画家の青年の恋物語です。

以下ちょっとネタばれあり。ご注意ください。


この本には二作収められています。

ます、「天女の衣の盗み方」

嶺一郎は人付き合いが苦手……というか、不器用な人。

いろいろと考え込んでしまう性質なんだと思います。

そのせいで義母に甘えられず、他の人にも甘えられず。

そんな彼が初めて心を許した恋人も亡くなってしまい、より頑なに心を閉ざして生きています。

そんな彼の前に現れたのが、イギリス人の父と日本人の母を持つ日本画家の閑です。

閑の一番大切にしているモチーフが「天女」なのですが、嶺一郎はそのイメージぴったりの容姿をしていると言い、嶺一郎に強引にモデルを引き受けさせます。

閑に口説かれたり接するうちに、今まで避けていた過去の辛い思い出と向き合わされ、苦しみつつも、それを乗り越えようとする嶺一郎のお話です。


次に表題作「天女の眠る庭」

こちらは「天女の衣~」の後のお話で、閑視点で描かれています。

嶺一郎と恋人同士とはなったけれど、彼に大きな影響を与えた元恋人のことが気になる閑。

ある日、嶺一郎の元恋人の回顧展で彼の唯一の代表作を観て衝撃を受け、ますます元恋人の存在が重くのしかかるようになります。

そんな折、お互いの考え方の違いから口論となり……というお話。


生活(金銭)も大切!という嶺一郎と、芸術家の閑の頑なさ。どちらも分かります。

ちょい行き過ぎ?と思う禮一郎の言動でしたが、いやいや、陰でしていた行動は可愛い。

血は繋がっていない義母と同じようなことをしてますね。

義母、私はかなり好きなキャラなのですが、なさぬ子である嶺一郎が可愛くて仕方ないんですね~。彼の自慢を近所にしたりして。

それと同じような行動を取る嶺一郎がツボ。ツンデレ様ですな~。

嶺一郎の行き過ぎ言動にも理由も、彼の不器用さが表れていてツボでした。

気真面目で不器用ですが、考え方の違う恋人と分かり合うため、一生懸命言葉にしようと努力する可愛い受さんでした。

そんな彼にめちゃめちゃラブラブで、口説きまくる閑も好きです。


情熱的な攻と不器用なツンデレ受のしっとりとした大人の恋物語、イラストも綺麗でおススメです。

あ、嶺一郎をモデルにした「天女」の絵がどんな絵になったのかも読みどころ!

閑の嶺一郎への気持ちがよく表れた絵ですよ~。


天女の眠る庭 (リンクスロマンス)/鳩村 衣杏
¥898
Amazon.co.jp