**ちょっとネタばれあり。ご注意ください**


ルビーの新刊が~とブログで騒ぎまくっていましたが、違う出版社さんの

ものも読んでました、実は。

こちらの作品、藤井沢商店街を舞台にしたシリーズもののひとつでは

あるのですが、こちらのシリーズはそれぞれが独立したお話なので、

この作品だけ読んでいても全然オッケーです。

シリーズ他作、読んでいるのに感想を書くのを忘れてました。

また今度感想書きたいと思います。


  「家賃の予算3万円で庶民の暮らしを学びたい」

  不動産屋の優一の元に現れた、セレブな御曹司・世羅。

  金髪にゴージャスなタキシードで異彩を放つ世羅を、優一はなりゆきで

  世話をするハメに!! 

  紳士で優しい世羅との毎日は心地いいけれど、修行が終われば

  この街から出ていってしまう……。

  そんなある夜、世羅が「君が好きだ」と告白してきた!!

  想いを止められない優一は、一晩限りと身を任せて!?


ここ最近感想を書いた作品で、王子(「しじま~」のケネス)→

殿下(フジミの圭)と続き、またもや王子が登場です。

祖母と母がアメリカ人ということもあり、金髪だし外人チックな容姿ですが、

祖父や父は日本人で、日本国籍を持っています。

長いことアメリカで暮らしていたお坊ちゃまで、修行のために藤井沢に

暮らすことになった世羅、庶民の暮らしについてまったく分かってない。

そのため、アパートを斡旋した優一が何かと世話を焼く羽目に。

優一は五人兄弟の長男という、面倒見の良い優しい青年です。

父を亡くしたことで、一家を支えるべく懸命に働いてます。

温かい家庭生活を送ってこなかった世羅と、愛する家族のために

いろんなことを諦めてきた優一のそれぞれの悩みが描かれています。

いや、主に悩むのは優一ですが。


世羅から想いを告げられ、身体を重ねはしたものの、

いつかこの地を去ってしまう世羅に、この地を離れることのできない

優一はその想いに応えることができずにして……。

というのが表題作「アパルトマンの王子」の内容。

で、この本にもうひとつ収められているのが、その後の二人のお話、

「横暴と心配症」です。

御曹司である世羅との仲を妨害しようとする世羅の家族が

優一の前に現れて……というお話。


恋い焦がれる相手・優一が世羅を受け入れる時、

王子・世羅が野獣と化すところがポイントでしょうか。

やはり王子は王子のままより、野獣と化してくれてこそ正しい攻!ですね。

日頃は穏やかな2人が変貌する様子がたまりません。


さて、この作品、恋愛ものとしても楽しめる作品ですが、私的には

ハートウォーミングな作品としてもおススメしたい!!

父に先立たれ、一家の大黒柱として懸命に家族に尽くし、お客にも尽くす

優一。本当に優しい青年と私は思うのですが、その自分の行動は

利己的なものだと思っています。

自由に生きたいと思う気持ちと、愛する家族を守るためにしか生きられない

という葛藤が描かれています。

契約社会であるアメリカで育ち、利己的な考えしか持たなかった世羅が、

そんな優一との出会いで変わっていくところが良いですよ~。

そして、世羅が優一の優しさについて語るシーンがあるのですが、

それがたまらなくいいですよ~。

そのセリフ、ネタバレにもほどがあるので、反転しますね。

→「……たぶん、優一は無意識のうちに知っているんでしょう。

  誰にでも家族があって、大切に思う人がいる。だから、むやみに

  人を傷つけない。家族や身内を守るためには、他人をも尊重する

  ことが必要だと……知っているんだ

うわ~、すごいセリフです。

広島に生まれ育った私、平和について考える機会って度々あったのですよ。

最近ニュースで伝わってくるイジメによる事件なども考えさせられる。

そんな時に思っていた考え、そのままで、すごく感動しました。

人を傷つけてはいけない理由、まさにこれだと思うんです。

これがみんなの心にあれば、無用な争いはなくなるとおもうのですが……。


これ以外にも、たまたま知り合った少年・当真くんが父に訴えるシーンも

かなりいいですよ~。

家族のキャラも良く、かなりおススメの作品です。


王子攻、献身的な受、仕事もの、大家族もの、

ハートウォーミングなお話がお好きな方、是非どうぞ~。



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