待ちに待っていた崎谷先生の新刊、おまけに私の好きな大洋図書さんからの
作品ということで、すごく楽しみにしていました。


届いた本を見て……

うお、厚っ!

ミステリ小説かと思いましたよ。森博嗣さんとか京極さんとかの。

BLではかなり厚め、おまけに二段組。

読み応えたっぷりでしたが、内容的には表題作とその続編「愛玩人形」が

収められているので、一冊まるまるで一作品というものより読みやすかったです。



  全部、俺が女の子にしてあげる。

  名門進学校に通う遠山由宇は、多忙な両親に代わり、義理の叔父である

  瀬名匠によって大切に大切に育てられる。

  誰よりも自分を甘やかしてくれる匠を由宇も心から慕っていた。

  でも、もう甘えることはできなかった。

  なぜなら、自分の中にある背徳と禁忌を知ってしまったから……

  けれど、由宇の欲望が露になったとき、ふたりの新たな関係が始まり――

  心と体を支配する、甘く残酷な官能と恋の物語。


↑が背表紙あらすじです。

帯には「おにいちゃん、ぼく、女の子になりたい」「抑圧され続けた欲望と背徳、

そして官能。ふるえ、おびえながら手に入れるものとは……」とあります。

うーん、耽美な雰囲気がプンプンしてますね。

イラストもか~な~り耽美な感じ。

作品の内容にぴったりのイラストです。


さて、内容について。

ここからはちょっぴりネタばれしてしまうかもしれませんのでご注意を。


高校生の由宇は普通の容姿の普通の男の子。

そんな彼の望みは「女の子になりたい」ということ。

それはおかしな考えだと分かっていて、そんな内面を知られたら、

大好きなおにいちゃん・匠に嫌われると思って隠し続けています。

とある出来事からその望みを匠に知られ、二人の関係が変化していきます。

この匠ですが、アパレルメーカーで営業マネージャー兼トータルコーディネーターを

していて、由宇の「女の子になりたい」という望みを叶えようとしてくれます。

……つまり、女装もののお話です。

崎谷作品初のネタです。

とはいっても、本当に手術までして女の子になりたいということではなく、

大好きなおにいちゃんの傍にいるのにふさわしいのは女の人だと感じた

ために抱くようになった望みでした。

なので、根本的には今までの崎谷作品と大きく違うという印象は受けませんでした。

年上の男がすごく年の離れた身体の弱い子をとことん甘やかす、

「恋は乱反射する。」の宗佑×澄音の関係とよく似ています。

「恋は~」がより濃度が濃くなった感じ?

+コスプレあり、調教あり。

濃いのですが、ペースは崎谷作品らしいものでした。

ただ、耽美な雰囲気はありますが、綺麗なばかりではない作品なので、

好みが分かれるのかなぁと思ったり。

ワタシは平気でしたけど……イマイチワタシ自身女の子っぽくない人なので、

自分を基準にしては……と悩むのですよ。

崎谷ファンの方は必読の本だと思いますが、崎谷作品を未読な方は違うのから

入られた方がいいかも……。


話は変わりますが、この「おにいちゃん」瀬名匠ですが、他の崎谷作品に

ちらっと出てきてますね。

「勘弁してくれ」の慎一が勤めるアパレルメーカーが匠の勤める会社で、

作品中にちらっと出てきてます。

「勘弁してくれ」のノベルズ版では、冬乃先生のあとがきマンガの中にも

登場。

それを思い出してノベルズを引っ張り出してきたのですが、

慎一と義崇の立場(つまり歳)が逆だったら……という3コマ漫画で、

真砂さんが「犯罪ね」と言ったあとで、瀬名マネが「今だって十分犯罪っぽい

ケドねぇ」と語るもの。

……あんたの方がよっぽど犯罪臭いですから、<瀬名さん

と、ツッコミをいれました。


さて、他にももうちょっと感想を書きたいところですが、あまりにネタばれ

要素満載なので、画像下に書きますね。

未読の方で今から読もうとしている方は画像下にはご注意を!




少年人形 (SHY NOVELS194) (SHY NOVELS 194)/崎谷 はるひ
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さて、ネタバレ感想を。

崎谷作品の攻めさんは濃いですよね~。

匠も濃い人でした。

由宇に対する執着、両想いならいいけど、片想いなら犯罪レベル。

子供に口移しでご飯を与える行為……エロいです。

母親がする行為とはニュアンスが明らかに違いますもんね。

歯まで舐めるし。

2人の関係に変化がみられた後の調教シーンも濃い。

意地悪さんですよね。

由宇が「誰か」のために女装するんだと思い、嫉妬のあまりの行動ですが、

これさえも乗り越えられる由宇の想いの深さもすごい。

けれども、そんな意地悪(?)匠が、由宇と本当の意味で想いが通じ合って

身体を重ねるシーンで、セックスに夢中になるシーンがたまりませんでした。

こういうシチュに弱いんですよ、私。

それまで余裕をかましていた攻めが、Hに夢中になるシーン。

「ビターショコラの挑発」とか、「チョコレート密度」もそういう点でツボな作品です。


↑でも書きましたが、この作品って「恋は~」に通じる部分がありますが、

でも、「また~?」と思わないところがすごいと思います。

作家さんによっては、同じようなシチュが出てくると飽きてしまうのですが、

崎谷先生はそういうのが全くない。

文章力の差ですかね。

高濃度なせいで、何度も繰り返して読むのには重たい作品ですが、

大好きな一冊となりました。