ようやく画像が出るようになったので、早速感想書きます~。
幼い頃から「マンガは友達」、マンガのためならなんでもできちゃう
筋金入りのオタクの野迫川藍。
念願が叶いマンガ編集部の配属となった早々、大ヒット作「ゴスちゅる」を
連載中で、問題ありまくりのマンガ家・黒田瑞祥の担当をすることに。
超遅筆のうえに性格がねじ曲がっているのはまだしも、
「マンガを描くのはヒマつぶし」と言い切る瑞祥に、藍は内心怒り狂うが――。
今度のマンガ家は吸血鬼!
榎田先生のマンガ家シリーズ第4弾です。
今回のカップリングはマンガ家×編集者。
今までとは違い、超やる気なしなマンガ家が登場です。
それも吸血鬼。
吸血鬼=オレ様という図式が私の中にあるのですが、これもそれに漏れず
瑞祥は超オレ様で、編集者泣かせです。
これに対抗するのが、新人ではあるもののマンガに対する愛情は人一倍……
いえ、5万倍くらいありそうなほどの超オタク・野迫川。
コイツがすごくツボ!でした。
マンガを愛するが故に編集者を目指し、入社試験での面接ではマンガについて
熱く語りすぎて面接官に「頼むからもう勘弁してくれ」と頭を下げられ、
編集部に配属して欲しいと人事部長を追いかけまわしての配属。
その情熱に加え、コミケでは立ったまま寝ることができ、床に段ボールを敷いて
寝ること3時間でしゃきーんと起き上がることができるという、
強靭な体力も持った野迫川は、正に編集者となるべく生まれてきた男です。
そんな野迫川のマンガに対する執着心に、吸血鬼・瑞祥もタジタジです。
今までBL作品で数多くの編集者が出てきましたが、私が読んでいる中では
野迫川が最強です。
ある意味吸血鬼を上回る恐ろしさを秘めています。
普通はマンガ家先生のご機嫌を取らなくてはならないハズの編集者なのに、
野迫川は結構ヒドい発言を瑞祥に浴びせます。
これがすごく面白いんですよ~。
吹き出しながら読み進めました。
最強編集者の暴言の数々、お楽しみください!
そんな野迫川の血が飲みたい瑞祥ですが、あるモノのせいでそれも叶わない。
おまけに(あたり前ですが)野迫川は瑞祥が「自分は吸血鬼だ」と言っても
信じない。その二人のやりとりが楽しいです。
瑞祥は野迫川の血を飲むことができるのか?
野迫川は瑞祥から原稿をとることができるのか?
二人の攻防戦、楽しいですよ!
さて、この本には↑の作品と、もう一作、その後の二人のお話が入っています。
吸血鬼について詳しいマンガ家・薔薇原が登場。
彼は吸血鬼を退治する「ダムピール」なのか?
薔薇原と対談をすることになった瑞祥、それに付き添う野迫川。
彼らに危険が迫る――!?
表題作では……な関係の二人がどうなるのか、最後まで楽しめますよ。
そして、この本、笑えるだけでなく、ほろりとくるシーンもあって……。
野迫川がどうしてマンガをこれほどまでに愛しているのか、その理由にほろりと
きました。
笑いあり、涙あり(あ、でも、私は涙もろい性質なので、一般的でなかったら
ごめんなさい)の、すごく楽しめる作品です。
超おススメです~。
と、多くの方に読んで頂きたいので、あまりネタばれしないように書きましたが、
今まで感想が書けなかった欝憤はこれでははれない。
ということで、画像下にネタばれを全く気にせず、思いっきり感想を書かせて
いただきます。未読の方はご注意くださいませ。
- 吸血鬼には向いてる職業 (B-BOY NOVELS)/榎田 尤利
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さて、ネタばれのみの感想スタートです。
読んでいない方は何が何やらな書き方になってますが、お許しください。
何が楽しいって、↑でも書きましたが野迫川のきっつーい発言です。
それは随所に出てきますが、警察官が巷で話題の吸血鬼通り魔のことで
修羅場中に瑞祥に任意同行を求めてきた時、野迫川が瑞祥を庇い、
そのことを瑞祥が喜んでいるのに……
「容疑者として逮捕される前に原稿を上げてください」
ひでー!と思いつつも、大爆笑でした。おまけに、
「おまえ、私の潔白を信じていないのか?」という瑞祥に、
「信じてますよ、七割方は」
超ひでー!!
それが本心だから、余計にひどい。
他にも、「変態と吸血鬼は似て非なるものなのですね」なんて暴言も。
まぁ、瑞祥のことを吸血鬼だと思ってなくて、「吸血鬼だと自己暗示に
かかっている人」だと野迫川は思っているのですけど……
あまりにも失敬な発言です。
とにかく原稿第一な彼には笑わせていただきました。
初めてHした後も、立てない身体で這ってでも原稿を印刷所に届けようと
する姿に、「よ、日本一!」と声をかけたくなりました。
そんな彼がどうしてマンガを愛するようになったのかという理由、そして、
「ゴスちゅる」の主人公の幸せを願う気持ちにジーンときました。
そして、彼の祖母が亡くなった後のシーンにも。
悲しむ野迫川に瑞祥がかけた、喪失感はそれを愛していたからこそ来るもの、
それを受け止めなければいけない、という言葉が良かったです。
永遠を生きるが故に人を愛してもいつか失ってしまう立場にいる瑞祥が、
それを避けるために人を愛することを避けていた。
終わりのない旅をずっと続けなくてはならない瑞祥の淋しさが描かれることで、
笑えるだけの作品になっていない。
軽やかなのに軽すぎない作品になったのは、こういう部分が書かれているから
でしょうね。
吸血鬼と人間の恋愛を書いた作品は何作か読みましたが、問題は生きる長さ
ですね。いずれ吸血鬼の方が取り残されてしまいますから。
それの解決法として、人間が吸血鬼になるという手段を選ぶ話もありますが、
今作は終わりのある人生を選ぶというのが新鮮でした。
永遠の生よりも終わりある生。
年老いた野迫川でもいいの?という疑問はさておき、それって愛だなぁ。
そういう愛を貫いて欲しいなぁと思いました。
願わくは野迫川が交通事故とかに遭いませんように!
老人になってもパワフルにマンガを語って瑞祥に嫌がらせをしてくれますように!
なんて、実際は「瑞祥のマンガはやっぱり面白いなぁ」なんて
熱く語ったりするんでしょうけどね!
あ、もう書き終えようと思ったところで、大好きなシーンを書き忘れました。
二人の気持ちが通じ合い、ハッピーエンド……と思いきや、
修羅場シーンがはじまるのにも笑いましたが、そこで瑞祥に野迫川が血を吸われる
シーンで、まるで授乳みたいだというところに笑えました。
思うか、普通?
あ、野迫川は普通の男じゃないからいいのか。
あと、表題作のラスト、黒猫の配達にもウケました。
やー、小技がきいてますね。
すごくユーモアたっぷりで楽しませていただきました~。
絵も綺麗で文句なし!です。
まだまだ語れそうですが、野迫川入社時の面接官のように「勘弁して下さい」と
言われそうなのでこれまで!