(①より続く)
結婚してから任された新たな仕事が大当たりし、クッソ忙しくなった。
新婚妻がクッソとかいうのもどうかと思うが、クッソ以外に適当な言葉がない。
「たいそう忙しいざます。」とか、そういう表現ではぬるすぎる。
クッソ忙しいのだ。
そのようななか、わたしは思っていた。年も年(アラサーとアラフォーの境くらい)だし、早く子供をつくらなければならない。
だが、夫は、わたしと長いこと付き合っているし、もう若くないし、そういうことについて、どうでもよかったのだと思う。大してなにもしてこなかった。
わたしも、クッソ忙しくて、別にそっちがその気ならよいが、あえてこちらから何かする気も起きなかった。そんな時間があれば寝たかった。
結婚して一年が過ぎた。
仕事は忙しくなる一方だ。
同時期に結婚した人は子供ができた。
こちらは、この頻度で子供ができる訳もない。
周囲がわたしに気を使っているのは痛いほどわかる。きっと聞きたいだろう。
「子供はまだできないのかね?」
しかし現代の日本においては、「なんで結婚しないの?」とは聞いてもよいが、「なんで子供ができないの?」は、決して聞いてはいけないとの認識のようだ。
なんで結婚しないの?より明快な回答ができるのだが。
「夫にやる気がないからです。そしてわたしが眠いからです。」