江戸時代のような、でもスーツ着てる人もいる、そんな謎な世界。
俺は長屋暮らしで、やっぱり今の俺みたいに、何もしないで、何もできないでゴロゴロしていた。
さすがにそれを見かねたのか、嫁さんを世話してやって、身を固めたら変わるかもとかで、やってきたのは好みとは違うけど、わりとキレイなお嫁さん。
周りはおおむね祝福してくれていたが、俺はなんだかその状況を呑み込めていなかった。
祝いの席で、なぜか妙につっかかってくる男がいた。何かにつけ張り合ってくる感じな。
そいつに誘われて、嫁さんすらほっぽって会場を抜け出した俺は、近くの神社のような所へ行った。
その神社っぽいところで、お百度参りの簡略版のような、七回参りなるものをすすめられた。
要は、境内7往復のタイムを競う勝負を挑まれたわけだ。
現実世界の俺なら体が持たないだろうが、そう云うが早いか、そいつはすぐ走り出したので、俺はそいつを追いかけた。
お社の前で、二拝二拍手一拝をして、願い事を叫んで、スタート地点まで戻る。これの繰り返し。
幸い距離はそんなにもなかったのでガス欠にはならなかったが、やはりスタートで不意を突かれたのと、身体能力の低さが災いして、終盤まで片道分の差が埋められなかった。
もうこの時点で、俺にあてがわれた嫁さんの名前を忘れてしまった。もう思い出せない。
7回目、そいつは叫んでいた。
「むつみさんと一緒になりたい、よっしゃあ勝ったぁ」
それが聞こえたので、俺の7回目はこう叫んだ。
「お前がそのむつみさんとうまくいきますように、終わったぁ~」
二人して汗だくの顔をみて笑いあった。
ちょうどそこにそのむつみさんなる女性がいた。
中学か高校のとき、クラスにいた女子の一人に似ていたそのむつみさんとやらは、わりと気が強めなカッコいいタイプの女性だった。
そして、そいつらは上手くくっついた。
なぜかそこへ神輿の土台のようなものが運び込まれたので、その二人を乗せて、俺は担ぎ手に回って近所を練り歩いた。
なんだこの安物青春ドラマ。
そんな所で目が覚めた。全身が、とくに腹の中が疲れているような感じだった。
こんな夢見ちまうと、却って疲れちまうよ。