真夏の世の悪夢 | 真実の実は苦い

真実の実は苦い

無知蒙昧な中年男が、悪魔に食べさせられた真実の実。月の女神が示した絵のない絵本のページをめくる。

※※ 注 ※※
※この日記は妄想家の戯言に過ぎません。登場する人物・団体は、私以外架空の可能性もあります。くれぐれも本気にしないでください。
汝、努々(ゆめゆめ)信じる事なかれ。


暑い。
しばらく前に猛暑が続き、扇風機で過ごす身としては責め苦のような日々をおくった。一旦暑さも治まっていたが、またしても苦行となりそうな勢いである。
そもそも、埼玉の方が九州よりも暑いなんてバカげてる。ヽ(`Д´)ノウラァ
暑さが身に染みるにつれ、狐が予言していたXデーのことが脳裏をよぎる。
あれは5月のことだったか・・・。

Lady「この前、静岡の原発が止められてさ。」
私「ああ、知ってますよ。」
そのニュースは私もネットで知ったばかりであった。
Lady「他の古い原発も随時止めていくらしいね。政府が弱腰だから、何でも国民の言いなりだよ。大衆なんて目先のことしか見てないのに。」
私「まあね。(^_^;」
Lady「狐が言ってんだけどさ、この夏、関東じゃ1万人くらい死んじゃうらしいよ。」
私「えーーーっっ!!何で?いよいよ東京に直下型が来んの?」
Lady「いや、原子炉を次々に止めるから、電力が不足すんだって。突然、大停電が起きるらしいよ。」
私「!」

考えられるのは梅雨明け、7月の猛暑の日中だろうか。はたまた、日本中が甲子園にわく時期か。非常事態の今、大会を中止しろとは言わないが、今年くらいは甲子園の中継を止めればいいのにと思うのは私だけなのか?
いずれにせよ、懸念されているXデーはやはり訪れるわけか。

Lady「停電になって、止まってた原子炉を慌てて稼動させるらしいけど、直ぐに動くもんじゃないからね。停電の期間も長いんじゃない?そうなっちゃうと、政府も責任のなすり合いだね。」
私「この上1万人って・・・。熱中症で死んじゃうってこと?」
毎年、お年寄りを中心に熱中症での死亡者は確実に出ている。停電で冷房を使えない日が続けば、死亡者の数がハネ上がるのは否めまい。
Lady「それだけじゃないだろうね。電気で生きてる人もいるじゃない。」
私「?」
Lady「呼吸機着けてるとか、透析やってる人とか。」
私「ああ、そうか。生命維持装置・・・・」
先の計画停電の際も、酸素注入機をつけて寝ていた年配の女性が、停電時に亡くなる事故があった。自宅で生命維持装置をつけている場合、発電機を用意していることが多いが、停電の期間が長ければそれだけで維持できるかどうか。病院でも規模が小さければ自家発電装置がないところだってある。たとえ設備があったとしても、何日もの稼動は難しいはずだ。老人の多い病院なら、冷房、空調、生命維持装置のストップは大惨事に繋がってしまうだろう。
さらに冷蔵庫が使えなくなれば、真夏の食品管理に大きなダメージを与える。商店やレストランの機能はマヒし、流通にも大きな影響が出る。先の震災の際にも東京は買い占めが横行した。大停電となれば、生活用品を求めてパニックが起きるのは必至だ。無論、交通も大幅にマヒするだろう。
しかしながら、熱中症、生命維持装置の停止だけで、1万人の命が脅かされるものなのだろうか?あるいは大停電は引き金で、暴動など、思いもよらない弊害が起きるのだろうか?

未来は分岐している。大停電も未来に一つと言えるだろう。回避する術も残っているはずだ。
どちらにせよ、それが来ることを予期していても何をどうすることもできない。せいぜい買占めでの品不足を考えて、必需品を備蓄しておくくらいか。
若干、シュミレートしてみる。
電気が止まれば、水道局のポンプも止まるだろう。水道も出なくなる可能性がある。都市ガスはどうなんだろう?少なくともウチはプロパンなんで大丈夫か?
まあ、家に備蓄をあったところで、昼間に停電となれば、外出先で難民になるのは目に見えている。東京に出ていれば、ウチは簡単に歩いて帰れる距離じゃない。これはいよいよどうしようもなさそうだ。

さらに4月に遡る。
Lady「今ねえ、震災の死者が怨霊化してるんだって。」
私「なんで?」
Lady「そりゃあ、5万人があんな死に方してるんだよ。死んだこともわかってない人も多いだろうし。」
私「確かに・・・・」
Lady「昔からさあ、天災でたくさん人が死ぬと、怨霊化した集団がさらなる天変地異を引き起こしてきたんだよね。現代に至るまで、ずっとそうなんだよ。」
私「あ、島原の乱の年とか・・・・?」
Lady「そうだね。あれは飢饉が始まりだけどね。」
寛永14~15年(1637~1638年)に起きた、農民・キリシタンによる一揆と言われる島原の乱。勃発したのは冬の初め頃だが、その年は日照りによる大飢饉が起こり、その後台風などの天変地異が相次いでいる。ある記録によると、全国で怨霊が荒れ狂ったためとある。
Lady「4月に台風とか異常でしょう。」
私「え、コレって台風なの?」
そのとき、外は風雨が荒れていた。
Lady「台風1号に認定されたよ。4月に台風が起きたのは観測史上初めてだってさ。しかも、日本の近海で発生してんだよ。」
私「えーっ、赤道近くじゃなくて?て、ことは・・・・」
Lady「怨霊が原因だろうね。」
私「じゃあ、この夏とかは日照りが続いたりするのかな?また米の不作?」
Lady「何が起こるかわかんないけど、天変地異が続くだろうね。」

果たして1万人が犠牲となる大厄災は、天変地異によるものなのか、はたまた乱(暴動)によるものなのか。
そんな未来は避けて通りたいものだが、いかんせん人は愚かで、自分の都合しか考えない。
願わくば、一人ひとりが、人としての心を失わずにいてもらいたいものである。