【8月4日号】
皆様、8月2日はいわき踊り小名浜大会。
3日は小名浜港での第60回いわき花火大会。
いわき市小名浜地区の夏を謳歌するイベントが二日続きでありました。
そしてそれを待っていたように、漸く東北地方の梅雨が明けました。
これまで連日のように夜になると降り出していた雨も影をひそめ、絶好の夏祭り日和でした。
こうしたイベントへの参加とコットン畑での農作業を組み合わせておいで下さったボランティアの方もあり、先週はちょっと慌ただしく、そしてとてもワクワクする日々でした。
震災前にこれほど季節の移り変わりを楽しめていただろうか…と、改めて思い返してしまいます。
コットンの栽培を始めたことで、春夏秋冬がそれぞれ意味ある季節になりました。
そして、その季節ごとに楽しみを忍ばせてきた先人たちの知恵に唸らされることが沢山あります。
一日一日を丁寧に生きる…。
そんな言葉を改めてかみしめています。
先日、復興庁が実施する「東日本大震災生活復興プロジェクト」の復興円卓会議(於 福島大学)に参加させて頂きました。
このプロジェクトは、避難生活が長期化する中、阪神・淡路大震災等の復興の先行事例を被災地で共有することで、自治体や支援活動を行うNPO関係者等が被災者による生活設計やコミュニティへの参画を適切に支援することができるようにするため実施するものです。
復興庁・福島県・NPO関係者が集まる中で、本会が実施する被災者・避難者支援事業の事例報告をさせて頂きました。
発災直後の動き出しから、(社)いわき市社会福祉協議会と連携しての小名浜地区災害(後に復興支援)ボランティアセンターでの活動、特に「小名浜地区・常磐地区交流サロン」の運営などが話の中心でしたが、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」の中で、避難者の方たちにも作業に加わっていただけるような仕掛けづくりをしていることなども説明させて頂きました。
福島県からは、第一次復興公営住宅整備計画の説明がなされました。
原発事故関連で避難している方向けに概ね3,700戸の整備が計画されており、そのうちの1,800戸はいわき市内を予定しています。
入居時期の目標は平成27年度。
コミュニティ維持のため、市町村単位での入居に配慮がなされることになっています。
また、高齢者・障がい者・妊婦を含む子育て世帯等に配慮したものになるそうです。
まず初めに着工される500戸の内訳が掲載される地図を見て、驚きました。
いわき市常磐地区に50戸。小名浜地区に200戸。
浜通りに計画されているのはこの2か所だけで、あとは郡山市周辺の中通りが中心になっていました。
常磐・小名浜。
常磐・小名浜。
この2地区は、福島県いわき地方振興局から委託を受けて、本会が借り上げ住宅入居者のための支援事業を実施している地区にあたります。
そして、小名浜永崎地区は津波被災エリアであると同時に、いわき市による被災者向けの復興公営住宅の建設も近隣で進められています。
直接的な津波被災がありコミュニティ自体の力が弱まっている地域の中に、こうして性格の違う復興公営住宅…そこにはどうしても生活弱者が多く入居することになると予想されます…が建設されるのです。
新たなコミュニティ創生のために早期から入念な準備が施される必要があると思います。
被災者・避難者に向き合う、様々な主体の連携が求められているのです。
広野町のコットン栽培地をお世話下さっていた、鈴木郁さんが亡くなられました。
心臓に持病をお持ちで、ここしばらく入院しておられたのです。
「仮設の狭い部屋にいては息が詰まっちまうから…」と、今年になっていわき市常磐地区の仮設住宅から自宅に戻って一人暮らしをしておられました。
春の頃にはお元気で、ボランティアの方々が畑に来ると、自ら軽トラックを運転して耕運機を運び込み、一緒に作業にあたって下さいました。
畑でボランティアの方々を前に、「浅見川を津波が遡って、このあたりにも上がったんだよ。消波ブロックを作るためのヤードになっているここは、俺の田んぼだったんだよ。
むこうの火力発電所の前に見えるお寺まで津波が入ったんだよ…」と、説明をしてくださいました。
むこうの火力発電所の前に見えるお寺まで津波が入ったんだよ…」と、説明をしてくださいました。
「病気でむくんできてしまった」と見せて下さった手は、浅黒い働き者の手でした。
コットンプロジェクトに畑を提供下さったことで、いろいろな人と出会えるようになったと心から喜んでくださっていたのだそうです。
震災がなければ…考えずにはいられません。
鈴木さんの畑にコットンの花が咲く姿を、実際に見せて差し上げたかったと思います。
でも、きっと自由になった鈴木さんは、今頃コットン畑の上から花芯がエンジに染まった黄色い花の開く様子をご覧になっていることでしょう。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
吉田恵美子