止血時間
正直、あの看護士の一言でその病院に行くのはやめようかと思ったのだけど、仕事も忙しい中また他の病院にかかるのも面倒だったのでそのまま行くことにした。血液検査の結果できっと何も出なくて、
「仕事が忙しいことによる疲れかな?栄養とってよく休んで。」
くらいで終わるだろうと思っていた。
初診から10日後に次の診察の予約をとっていた。これで次は最初ほど待たなくてもいいはず。
初診から8日目くらいに病院から携帯に電話があった。
「◯日に予約が入っておりますので必ずご来院下さい」
とのこと。ちゃんと予約は覚えてるから大丈夫なのに、几帳面だなぁと思った。あんな総合病院でこんなことやってたら大変だろうに。
そして予約日、病院に行った。予約していてもやっぱり数十分待って、待ちくたびれた頃に診察室に入ることが出来た。
先生はまず私の足を見た。その頃には内出血はほとんど消えていたから
「あ、大丈夫そうだね。検査結果も何もなかったから様子を見ましょう。」
と言うものだと思っていた。
しかし先生の口からは意外な言葉が飛び出した。
「えーっとね、ちょっと検査結果で気になる数値が出ているの。もうちょっと調べた方がいいので、今日も採血させてもらえるかな?」
「え?そうなんですか?」
「うん・・・。もしかしたら、膠原病っていう病気かも知れない。」
「こうげんびょう?」
「まだ詳しくわからないから、もう少し調べさせて。」
今思えばこの時から先生は濁し濁し話していて、結局最後までハッキリと私の症状を話してはくれなかったのだった。
この診察の時、あの問診看護士が後ろにいた。前回とは全然違う表情で、口を真一文字に結んでこちらを見ていた。
血液を採ってもらう時、担当してくれた人に
「何か手術でも受けられるんですか?」
と聞かれて驚いた。
「いいえ。この検査はそういう検査なんですか?」
「あ、違うんですね。この検査は普通あまりやらないから。手術前などにやることが多いんですよ。」
そう言って、私の耳たぶに小さな傷を付けた。そこから出る血が止まる時間を調べる検査だった。標準時間がどれくらいかわからないが、そう長くないと聞いていた。しかしなかなか血は止まらない。色々雑談しながら時間は過ぎる。
結果は、6分半だった。
その日は他に採血もして帰ってきた。
仕事を抜けてきていたので、予定より帰社時間が遅くなると会社に電話をした時、電話の向こうで同僚が
「え?大丈夫ですか?」
と聞いてくれた。自分でもなんでまた検査なのかわからなくて不思議だったので
「大丈夫大丈夫」
と答えた気がする。
その日、仕事が終わって帰ってきて、インターネットで検査結果の標準時間を調べてみた。検査を担当した人が
「ちょっと長いね。出血傾向があるみたい。」
と言っていたのが気になって。
標準時間はサイトによって多少違いがあるものの、2~5分だった。
私の結果は、明らかに標準時間を超えていた。
どのサイトにも、聞き覚えのある怖い病気の名前と、聞いたことのない病気の名前がずらっと書かれていた。それらを他人事のように眺めた。
親に検査の様子を話すと、電話の向こうの声が曇った。
「もしかしたらと思ってたけど、血友病か膠原病かもしれないな。なんてことだ・・・。」
親の口から先生が言うのと同じ、『こうげんびょう』という名前が出て驚いた。
親はとても心配性なので、この時点で既に最悪の事態を考えていたのだと思う。
娘が、難病患者になったかもしれないということを。
「仕事が忙しいことによる疲れかな?栄養とってよく休んで。」
くらいで終わるだろうと思っていた。
初診から10日後に次の診察の予約をとっていた。これで次は最初ほど待たなくてもいいはず。
初診から8日目くらいに病院から携帯に電話があった。
「◯日に予約が入っておりますので必ずご来院下さい」
とのこと。ちゃんと予約は覚えてるから大丈夫なのに、几帳面だなぁと思った。あんな総合病院でこんなことやってたら大変だろうに。
そして予約日、病院に行った。予約していてもやっぱり数十分待って、待ちくたびれた頃に診察室に入ることが出来た。
先生はまず私の足を見た。その頃には内出血はほとんど消えていたから
「あ、大丈夫そうだね。検査結果も何もなかったから様子を見ましょう。」
と言うものだと思っていた。
しかし先生の口からは意外な言葉が飛び出した。
「えーっとね、ちょっと検査結果で気になる数値が出ているの。もうちょっと調べた方がいいので、今日も採血させてもらえるかな?」
「え?そうなんですか?」
「うん・・・。もしかしたら、膠原病っていう病気かも知れない。」
「こうげんびょう?」
「まだ詳しくわからないから、もう少し調べさせて。」
今思えばこの時から先生は濁し濁し話していて、結局最後までハッキリと私の症状を話してはくれなかったのだった。
この診察の時、あの問診看護士が後ろにいた。前回とは全然違う表情で、口を真一文字に結んでこちらを見ていた。
血液を採ってもらう時、担当してくれた人に
「何か手術でも受けられるんですか?」
と聞かれて驚いた。
「いいえ。この検査はそういう検査なんですか?」
「あ、違うんですね。この検査は普通あまりやらないから。手術前などにやることが多いんですよ。」
そう言って、私の耳たぶに小さな傷を付けた。そこから出る血が止まる時間を調べる検査だった。標準時間がどれくらいかわからないが、そう長くないと聞いていた。しかしなかなか血は止まらない。色々雑談しながら時間は過ぎる。
結果は、6分半だった。
その日は他に採血もして帰ってきた。
仕事を抜けてきていたので、予定より帰社時間が遅くなると会社に電話をした時、電話の向こうで同僚が
「え?大丈夫ですか?」
と聞いてくれた。自分でもなんでまた検査なのかわからなくて不思議だったので
「大丈夫大丈夫」
と答えた気がする。
その日、仕事が終わって帰ってきて、インターネットで検査結果の標準時間を調べてみた。検査を担当した人が
「ちょっと長いね。出血傾向があるみたい。」
と言っていたのが気になって。
標準時間はサイトによって多少違いがあるものの、2~5分だった。
私の結果は、明らかに標準時間を超えていた。
どのサイトにも、聞き覚えのある怖い病気の名前と、聞いたことのない病気の名前がずらっと書かれていた。それらを他人事のように眺めた。
親に検査の様子を話すと、電話の向こうの声が曇った。
「もしかしたらと思ってたけど、血友病か膠原病かもしれないな。なんてことだ・・・。」
親の口から先生が言うのと同じ、『こうげんびょう』という名前が出て驚いた。
親はとても心配性なので、この時点で既に最悪の事態を考えていたのだと思う。
娘が、難病患者になったかもしれないということを。